治療抵抗性うつ病患者の自殺リスク、治療法により差はあるか

治療抵抗性うつ病(TRD)患者の30%では、生涯にわたり1回以上の自殺企図が認められる。しかし、治療開始後のTRD患者における、自殺企図および自殺完遂の発生率、特定の治療による自殺企図の増減については、不明であった。オランダ・アムステルダム大学のIsidoor O. Bergfeld氏らは、TRD患者における自殺率について調査を行った。Journal of Affective Disorders誌2018年8月1日号の報告。

うつ病患者を対象とした研究のうち、2剤以上の抗うつ薬治療に奏効せず、治療開始後3ヵ月以上フォローアップしたものをPubMedより検索した。自殺企図と自殺完遂の発生率は、ポアソンメタ解析を用いて推定した。比較対照が不足していることから、治療法による自殺企図や自殺完遂の発生率の違いを推定するため、メタ回帰を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・32のTRDサンプルにおける自殺率を調査した30件の研究が抽出された。
・内訳は、脳深部刺激療法(DBS:9件)、迷走神経刺激療法(VNS:9件)、電気けいれん療法(ECT:5件)、通常治療(3件)、内包前脚切裁術(2件)、認知行動療法(2件)、ケタミン療法(1件)、硬膜外皮質刺激療法(1件)であった。
・全体発生率は、自殺完遂で100患者年当たり0.47(95%CI:0.22~1.00)、自殺企図で100患者年当たり4.66(95%CI:3.53~6.23)であった。
・DBS、VNS、ECT後の発生率に差は認められなかった。
・なお、多くの研究で、自殺率の記録は不十分であり、利用可能な研究数が制限された。

著者らは「自殺完遂および自殺企図の発生率は高いが、3つの治療法(DBS、VNS、ECT)で差はなかった。TRD患者の自殺リスクが高いことを考慮すると、臨床試験においては、自殺率を明確なアウトカム指標とみなすべきである」としている。

出典

Bergfeld IO, et al. J Affect Disord. 2018;235:362-367.

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