うつ病患者の自殺、なにが影響しているのか

うつ病の自殺念慮を解明するため、オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らが、欧州多施設共同研究を実施した。これまでの調査において、うつ病患者の自殺念慮の有病率は、50%以上であることが示唆されているが、社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な特徴と自殺念慮との関連については、あまり知られていなかった。The international journal of neuropsychopharmacology誌2018年6月1日号の報告。

ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)の項目3(自殺傾向)の評価に基づき、うつ病患者1,410例を3群(0:自殺念慮なし、1~2:軽度~中等度の自殺念慮、3~4:重度の自殺念慮)に分類した。データ解析には、カイ二乗検定、共分散分析、スピアマン相関分析を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・うつ病患者の自殺念慮の有病率は、46.67%であった(HAM-D項目3のスコアが1以上)。
・対象患者の重症度別の内訳は、自殺念慮なし群53.33%、軽度~中等度群38.44%、重度群8.23%であった。

・自殺念慮のレベルに応じたうつ病患者サンプルを層別化したところ、自殺念慮なし群と比較し、軽度~中等度群では、以下の社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な因子が特定された。
●抑うつ症状の重症度
●治療抵抗性
●精神病性特徴
●一般的な併用薬

・重度群のみで認められた因子は、以下のとおりであった。
●入院治療
●抗精神病薬およびベンゾジアゼピンによる増強療法
●メランコリックな特徴
●併存身体疾患

著者らは「軽度~中等度の自殺念慮でさえ、治療反応を達成できないことに関連しているため、実臨床においては、これらの因子を十分に考慮する必要がある」としている。

出典

Dold M, et al. Int J Neuropsychopharmacol. 2018;21:539-549.

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