治療抵抗性統合失調症、ECT併用は有益か

治療抵抗性統合失調症(TRS)治療は、現代の精神医学における挑戦である。TRS患者の多くは、重度の神経認知機能障害を有する。TRS治療において、電気ショック療法(ECT)は効果的かつ安全であることが証明されているが、潜在的な神経認知機能の副作用に関しては議論の余地がある。TRS患者の認知機能に対する抗精神病薬とECT増強療法の影響について、プロスペクティブオープン研究より評価が行われた。

クロアチア・University Hospital Center ZagrebのBjanka Vuksan Cusa氏らによる、The journal of ECT誌オンライン版2017年10月19日号の報告。

対象は、TRS入院患者31例(平均年齢:34.1±11.187歳)。臨床症状評価、全般印象度評価、言語記憶、視覚記憶、ワーキングメモリ、精神運動速度、言語流暢性、実行機能について、ECT治療前後に評価を行った。

主な結果は以下のとおり。

・一連のペアサンプルt検定を行い、多重比較のためBonferroni法の調整を行ったところ、レベルは有意に減少した(p=0.004)。
・統計学的に有意な改善が認められた神経認知機能領域は、即時および遅発性の言語記憶と実行機能であった。視覚記憶および精神運動速度には統計的傾向が認められた。
・いずれの神経認知機能も、ECT後に有意な悪化が認められなかった。
・ECTは、統合失調症の一般的な症状改善に有効であり、その結果、PANSSの全体的な症状重症度の30%以上低下が認められた。

著者らは「本研究には制限があるにもかかわらず、抗精神病薬とECTの併用は、いくつかの神経認知機能領域を改善しており、認知機能悪化の根拠は認められなかった」としている。

出典

Vuksan Cusa B, et al. J ECT. 2017 Oct 19. [Epub ahead of print]

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