今後の統合失調症治療戦略のためのレコメンド

フランス・パリ・エスト・クレテイユ大学のF. Schurhoff氏らは、統合失調症専門家のための学術研究センター(FondaMental Academic Center of Expertise for Schizophrenia:FACE-SZ)グループによる最初の10年間のコホート研究について報告を行った。L’Encephale誌オンライン版2018年10月13日号の報告。

FACE-SZでは、700以上のコミュニティで安定している患者を募集し、現在まで評価を行っている。対象者は、平均年齢32歳、男性の割合75%、平均罹病期間11年、平均発症年齢21歳、統合失調症の平均未治療期間1.5年、喫煙者55%であった。

主な結果は以下のとおり。

・統合失調症患者におけるメタボリックシンドロームの有病率は、一般集団と比較し2倍であり、正しい評価や治療が行われていなかった。
・ベンゾジアゼピン使用患者および慢性低悪性度末梢炎症患者において、認知機能低下が認められた。
・うつ病の合併は、対象患者の約20%で認められた。
・うつ病は、QOL低下や統合失調症の喫煙者におけるニコチン依存症の増加と関連が認められた。
・うつ病および陰性症状の改善は、統合失調症患者のQOL改善のための最も効果的な治療戦略であると考えられる。
・大麻使用患者および発症年齢が19歳未満の患者では、統合失調症の未治療期間が長くなる傾向が認められた。
・治療開始後、主観的にネガティブの印象を報告した患者では、錐体外路症状や体重増加などの客観的な副作用とは無関係に、治療に対するアドヒアランスが低下した。
・アカシジアは、統合失調症の18%で認められ、これは抗精神病薬の多剤併用と関連が認められた。

結果を踏まえ、臨床ケアを行う際の、著者らのレコメンドは以下のとおりである。

・統合失調症の早期診断は、青年および大麻使用者でとくに強化すべきである。
・すべての患者において、治療開始時および安定後に総合的な神経心理学的評価を行わなければならない。
・代謝パラメータや生活習慣(食生活や身体活動)の改善を強化すべきである。
・ベンゾジアゼピンおよび抗精神病薬の多剤併用については、ベネフィット/リスク比を定期的に再評価し、できるだけ早い段階で是正すべきである。
・うつ病の改善は、統合失調症のQOLを大幅に改善する可能性があるため、うつ病の診断、治療を行うべきである。
・認知リハビリテーション療法や抗炎症戦略は、より治療戦略に組み込むべきである。

出典

Schurhoff F, et al. Encephale. 2018 Oct 13. [Epub ahead of print]

コメント

タイトルとURLをコピーしました