統合失調症治療、EPAやDHAで症状が軽減

 統合失調症の治療では、症状改善のために単剤療法だけでなく増強療法が一般的に行われる。近年、精神疾患患者に対するω3多価不飽和脂肪酸のベネフィットを示唆する報告が増加しているが、その役割については、統合失調症治療のコンセンサスが十分に得られていない。台湾・台北医学大学のKah K. Goh氏らは、統合失調症患者に対するω3多価不飽和脂肪酸の有効性および安全性を評価するため、ランダム化比較試験のメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2021年2月15日号の報告。

 MEDLINE、Embase、Cochrane、Scopus、Web of Scienceより、関連文献を検索した。主要アウトカムは、精神病理学的変化とし、副次的アウトカムは、代謝パラメータおよび安全性プロファイルの変化とした。

主な結果は以下のとおり。

・メタ解析には、20件の二重盲検ランダム化比較試験(1,494例)を含めた。

・ω3多価不飽和脂肪酸による増強療法は、統合失調症患者の精神病理、とくに総合精神病理と陽性症状に対する有意な改善効果との関連が認められたが、陰性症状に対しては認められなかった。

・重度の患者においては、イコサペント酸を含むω3多価不飽和脂肪酸1g/日超の投与によって、有意な改善が認められた。

・血清トリグリセライドに対するω3多価不飽和脂肪酸の好影響も観察された。

・ω3多価不飽和脂肪酸は、統合失調症患者に対する忍容性、安全性の高さが認められた。

 著者らは「統合失調症に対する潜在的な増強療法として、ω3多価不飽和脂肪酸の使用は、支持されるものであった。この根底にあるメカニズムを解明し、ω3多価不飽和脂肪酸の最適な投与量と正確な割合を明らかにするためには、大規模サンプルを用いたさらなる研究が必要とされる」としている。

出典

Goh KK, et al. J Psychopharmacol. 2021 Feb 15. [Epub ahead of print]

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