統合失調症治療、抗精神病薬中止に導く予測因子は

抗精神病薬の中止は統合失調症患者の再発リスクを増加させるが、一部の患者では、抗精神病薬を継続することなく臨床的に良好な状態を持続することができる。しかし、このような患者の特徴に関するデータは不十分である。慶應義塾大学の谷 英明氏らは、正常に抗精神病薬を中止した統合失調症患者の臨床的特徴を明らかにするため、システマティックレビューを行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年10月8日号の報告。

統合失調症における抗精神病薬中止成功の予測因子を同定するため、PubMedを用いて2018年6月までの文献を検索し、システマティックレビューを行った。「antipsychotic* or neuroleptic」「withdraw* or cessat* or terminat* or discontinu*」「schizophreni* or psychosis」の検索キーワードを用いて、さらに英語で報告されたヒト対象の研究に絞り込んだ。フォローアップ期間が3ヵ月以上の研究のうち2つ以上で再現された場合、再発リスク低下に関連する因子とみなした。

主な結果は以下のとおり。

・システマティックな文献検索により、37件の関連文献が特定された。
・抗精神病薬中止後の平均再発率は、38.3%(95%CI:16.0~60.6%)であった。
・再発リスク低下に関連する因子は以下のとおりであった。
●中止前の抗精神病薬の投与量が少ない
●高齢者
●未治療期間が短い
●高齢発症者
●ベースライン時の陽性症状の重症度がより軽度
●社会機能が良好
●これまでの再発回数が少ない

著者らは「本レビューでは、統合失調症患者における抗精神病薬中止を成功させるためのいくつかの予測因子が特定された。しかし、非常に限定されたエビデンスであり、抗精神病薬の中止は再発率の上昇に影響を及ぼすため、リスクとベネフィットに関してさらなる検討が必要である」としている 。

出典

Tani H, et al. J Clin Psychopharmacol. 2018 Oct 8. [Epub ahead of print]

コメント

タイトルとURLをコピーしました