統合失調症でみられる肥満、関連する要因は?

 国立精神・神経医療研究センターの秀瀬 真輔氏らは、統合失調症患者の肥満(BMI 30以上)と症状、向精神薬、全脳構造との関連について調査を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2020年8月5日号の報告。

 対象は、日本人統合失調症患者65例(平均年齢:37.2±11.3歳、女性:32例)で、全員が右利きであった。症状の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いた。肥満と灰白質および白質構造との関連を分析するため、ボクセル ベース形態計測(VBM)および拡散テンソル画像(DTI)を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・肥満患者は非肥満患者と比較し、PANSSスコアに有意な差は認められなかったが、PSQIスコアは有意に高かった(p<0.05)。

・肥満患者は非肥満患者と比較し、定型抗精神病薬の1日量が有意に多かった(p<0.001)。

・VBNでは、肥満患者と非肥満患者の灰白質体積に有意な差は認められなかった。

・DTIでは、肥満患者は非肥満患者と比較し、脳梁、放線冠、皮質脊髄路、上縦束、後視床放線の異方性(fractional anisotropy)の値が有意に低かった(補正p<0.05)。

・肥満患者は非肥満患者と比較し、Axial diffusivityは有意に低く、radial diffusivityとmean diffusivityは同様であったが、より制限された脳領域においては有意に高かった(補正p<0.05)。

 著者らは「統合失調症患者において、肥満は睡眠障害、定型抗精神病薬の1日量、局所的な白質微細構造障害に関連していることが示唆された」としている。

出典

Hidese S, et al. Schizophr Res. 2020 Aug 5. [Epub ahead of print]

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