総合失調症の陰性症状、とくに注意が必要な患者増

 初回エピソード統合失調症スペクトラム障害患者における10年間の軌跡と陰性症状アウトカムについて、中国・香港大学のSherry Kit Wa Chan氏らが、調査を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2020年4月8日号の報告。

 標準治療と早期介入における10年間のアウトカムを比較した歴史的対照研究から対象患者を抽出した。特定された298例中、10年間のフォローアップで臨床的および機能的なアウトカムを収集できた患者は214例であり、最終分析には209例が含まれた。カルテ情報は、標準化されたデータ入力フォームを用いてシステマティックに収集した。陰性症状、入院、雇用に関する情報は、最初の1~3年は月に1回、4~10年は3ヵ月に1回収集した。10年間の陰性症状のクラスターを調査するため、階層クラスター分析を用いた。クラスターメンバーシップに関連する人口統計および初期の臨床症状、10年間のフォローアップ期間中の陰性症状について、さらに調査を行った。

主な結果は以下のとおり。

・クラスター分析では、陰性症状の3つのクラスターが特定された。15%の患者は再発例であった。

・標準治療と早期介入の間に、クラスターメンバーシップの違いは認められなかった。

・陰性症状再発と有意に関連する因子は、男性、4年目の入院であった。

・10年間のフォローアップ期間中、全体的な陰性症状の予測因子は以下のとおりであった。
 ●教育レベルの低さ
 ●1年目の陰性症状スコアの高さ
 ●最初の3年間の失業期間の長さ

・男性は、意欲と快楽消失の予測因子であり、精神疾患の未治療期間は、快楽消失の予測因子であった。

 著者らは「本結果より、長期的なアウトカムの不均一性が認められ、個別化された介入の重要性が示唆された」としている。

出典

Chan SKW, et al. Schizophr Res. 2020 Apr 8. [Epub ahead of print]

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