統合失調症患者のパフォーマンス向上に、筋トレの効果

 統合失調症スペクトラム障害患者は、下肢の骨格筋力(最大筋力[1RM]、急な動き)が損なわれており、機能的パフォーマンスが低下しているといわれている。ノルウェー科学技術大学のMona Nygard氏らは、統合失調症スペクトラム障害患者に対する12週間の最大筋力トレーニング(MST)の効果について検討を行った。Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports誌オンライン版2020年10月28日号の報告。

 12週間のMSTの効果について、次の3項目について調査を行った。(1)下肢の骨格筋力と機能的パフォーマンスレベルが基準レベルまで回復するか(2)患者の活動性やQOLを向上させるか(3)下肢の骨格筋力や機能的パフォーマンスレベルの改善と症状重症度、1日投与量、罹病期間、患者の活動性レベルとの関連。統合失調症スペクトラム障害の外来患者48例を対象に、トレーニング群(T群)または対照群(C群)にランダムに割り付けた。T群には、レッグプレスMSTを週2回90%1RMで実行した。C群は、2度の入門トレーニングセッションと独立したトレーニングを実施するよう勧めた。レッグプレス1RM、急な動き、一連の機能性テスト、精神の健康管理への積極性評価尺度(Patient Activation Measure-13)、健康関連QOL尺度(SF-36)を調査した。健康な対照者より下肢の骨格筋力と機能的パフォーマンスのベースラインテストを実施した。

主な結果は以下のとおり。

・研究を完了した患者は36例(T群:17例、C群19例)であった。 

・T群では、1RM(28%)および急な動き(20%)に関して健康な対照者と同レベルまでの改善が認められたが(各々p<0.01)、C群では変化が認められなかった。

・T群における急な動きの改善は、1日投与量と逆相関が認められた(r=-0.5、p=0.05)。

・両群ともに、30秒間立位テストのパフォーマンス向上が認められ(p<0.05)、これは急な動きの改善と関連が認められた(r=0.6、p<0.05)。

 著者らは「12週間のMSTは、統合失調症スペクトラム障害患者の下肢の骨格筋力を健康な人と同程度のレベルまで改善し、30秒間立位テストのパフォーマンスの改善が認められた」としている。

出典

Nygard M, et al. Scand J Med Sci Sports. 2020 Oct 28. [Epub ahead of print]

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