統合失調症治療、初めての薬物療法にルラシドン(商品名:ラツーダ)はどの程度有用か

 早期に発症する統合失調症は、成人期に発症する場合と比較し、重症度が高く、機能障害が多いという特徴がある。いくつかの研究では、治療歴のない初回エピソード統合失調症に対する抗精神病薬の短期または長期有効性をプロスペクティブに評価している。本研究において、抗精神病薬による治療歴のない青年期統合失調症患者に対するルラシドン(商品名:ラツーダ)の長期有効性の評価が行われた。

 米国・ザッカーヒルサイド病院のChristoph U. Correll氏らによる、CNS Spectrums誌2020年4月号の報告。

 まず、6週間のプラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験(DB試験)を実施した。13~17歳の統合失調症患者は、ルラシドン40mg/日、ルラシドン80mg/日、プラセボのいずれかによる固定用量治療にランダムに割り付けられた。DB試験完了後、2年間のルラシドン治療オープンラベルフレックスドーズ試験(OL試験)へ移行した。OL試験による104週超のルラシドン治療の有効性は、DB試験開始前の治療状況に基づいて、抗精神病薬による治療歴のない患者(TN群)と治療歴ある患者(TP群)について評価した。有効性の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアおよび臨床全般印象度(CGI-S)スコアを用いた。治療反応は、PANSS合計スコアのベースラインからの20%以上低下と定義した。

主な結果は以下のとおり。

・TN群50例、TP群221例がDB試験を完了し、OL試験へ移行した。

・OL試験を完了した患者は、TN群30例(60.0%)、TP群126例(57.0%)であった。

・DB試験のITT分析(当初割り付けられた群での分析)では、ルラシドンの治療効果は、プラセボと比較し、DB試験終了時の有効性が高く、このエフェクトサイズ(ES)は、TN群でTP群よりも大きかった。
 【PANSS合計スコア】
 ●TN群:-25.0 vs.-14.4、p<0.02、ES=0.75
 ●TP群:-17.3 vs.-10.0、p<0.001、ES=0.45
 【CGI-Sスコア】
 ●TN群:-1.07 vs.-0.28、p=0.002、ES=0.97
 ●TP群:-0.91 vs.-0.55、p=0.005、ES=0.38

・OL試験中のルラシドン治療によるベースラインからの改善度は、TN群でTP群よりも大きかった。
TN群(38例)vs.TP群(151例)
 【PANSS合計スコア】
 ●52週目:-32.6 vs.-28.1
 ●104週目:-33.6 vs.-29.2
 【CGI-Sスコア】
 ●52週目:-2.1 vs.-1.5
 ●104週目:-2.1 vs.-1.6

・ルラシドン治療による治療反応率は、以下のとおりであった。
 ●OL試験ベースライン時:72.0% vs. 61.1%
 ●52週目:100% vs. 90.1%(NNT=10)
 ●104週目:100% vs. 88.9%(NNT=11)

・OL試験中の最も一般的な有害事象は以下のとおりであった。
 ●頭痛:26.0% vs. 23.5%
 ●鼻咽頭炎:24.0% vs. 5.4%
 ●悪心:16.0% vs. 11.8%
 ●めまい:16.0% vs. 4.1%

 著者らは「抗精神病薬による治療歴のない青年期統合失調症患者に対するルラシドン40mg/日または80mg/日の長期治療反応は良好であった。TN患者では、TP患者よりも治療初期の改善効果が高く、この効果は、2年間持続した」としている。

出典

Correll CU, et al. CNS Spectr. 2020;25:267-268.

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