抗精神病薬の脂質代謝異常、第1世代 vs. 第2世代抗精神病薬

重度の精神疾患患者は、抗精神病薬の悪影響に関連している可能性のある代謝系の問題への罹患率やそれに伴う死亡率の上昇を来す。第2世代抗精神病薬(SGA)は、第1世代抗精神病薬(FGA)と比較し、脂質代謝異常とより関連が強いと考えられているが、このことに対するエビデンスは、システマティックレビューされていなかった。英国・East London NHS Foundation TrustのKurt Buhagiar氏らは、重度の精神疾患患者における脂質異常症リスクについて、SGAとFGAの評価を行った。Clinical Drug Investigation誌オンライン版2019年1月24日号の報告。

主要な電子データベースより2018年11月までの研究を検索した。対象研究は、重度の精神疾患患者に対するSGAとFGAを直接比較し、脂質代謝異常を主要アウトカムまたは第2次アウトカムとして評価した横断研究、コホート研究、症例対照研究、介入研究のいずれかとした。エビデンスは、PRISMA(システマティックレビューおよびメタ解析のための優先的報告項目)ガイドラインに従ってレビュー、評価を行った。

主な結果は以下のとおり。

・18件の研究が抽出された。
・SGAとFGAにおける脂質異常症の報告は矛盾しており、研究間のばらつきが大きく、完全な定性的合成のみが実行可能であった。
・クロザピン(商品名:クロザリル)、オランザピン(ジプレキサほか)、リスペリドン(リスパダールほか)については、限られたメタ解析を実施するに十分なデータがあった。各薬剤ともに、FGAと比較し、脂質異常症の事例性(caseness)との関連が少し高かったが、異質性の高さが認められた(すべてI2>50%、p<0.05)。
●クロザピン(オッズ比:1.26、95%信頼区間[CI]:1.16~1.38)
●オランザピン(オッズ比:1.29、95%CI:0.89~1.87)
●リスペリドン(オッズ比:1.05、95%CI:0.80~1.37)
・クロザピンは、トリグリセリド増加とも関連が認められたが(標準平均差:0.51、95%CI:0.21~0.81、I2=5.74%)、コレステロールとの関連は認められなかった。
・オランザピンとリスペリドンは、ハロペリドール(セレネースほか)と比較し、コレステロールまたはトリグリセリドの統計学的に有意な増加との関連が認められなかった。

著者らは「研究デザインや方法論には、かなりの違いが認められた。抗精神病薬による脂質代謝異常への影響におけるSGAとFGAの相対リスクを決定するには、薬剤ごとにさまざまな悪影響を引き起こす可能性があるため、臨床的に明らかにすることは難しい可能性がある。したがって、SGAかFGAかの焦点を当てるよりも、特定の抗精神病薬の脂質代謝リスクを考慮することが重要である」としている。

出典

Buhagiar K, et al. Clin Drug Investig. 2019 Jan 24. [Epub ahead of print]

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