小児に対するLAI治療、その安全性は

長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAIA)の数は、年々増加している。しかし、小児に対するLAIA治療の安全性、有効性は確立されていない。米国・ケースメディカルセンターのStephanie Pope氏らは、ケースシリーズにより小児に対するLAIA治療を研究することで、その知見不足を補うための試みを行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月30日号の報告。

本研究は、精神科急性期病棟の専門家により確認された、過去24ヵ月にLAIAによる新規初期治療を行ったすべての患者を含む、レトロスペクティブカルテレビューである。ケースシリーズ9例から、入院、退院時の臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアと臨床全般印象-改善度(CGI-I)スコアを収集した。そのほかに、主要な精神医学的診断報告、併存疾患、年齢、性別、前治療薬とLAIAの種類、LAIAによる治療理由、有害事象、CGI-SおよびCGI-Iスコア、治療を継続するために利用された外来患者のリソースが含まれた。

主な結果は以下のとおり。

・ケースシリーズは、14~17歳の女性2人と男性7人であった。
・患者に投与されていた薬剤は、パルミチン酸パリペリドン(商品名:ゼプリオン)5例、リスペリドン(リスパダールコンスタ)1例、フルフェナジン(フルデカシン)1例、アリピプラゾール(エビリファイ)1例であった。
・患者の精神科1次診断は、統合失調症5例、統合失調感情障害1例、双極性障害I型1例、特定不能な双極性障害1例、特定不能な気分障害1例であった。
・すべてのケースで、ノンコンプライアンスによりLAIAを選択した。
・頻繁な逃走、疾患の重症度が各1例認められた。
・すべての患者は、注射サービスの公共リソースを必要とした。
・本研究は、母集団が小さく、薬物療法を越えたCGI-SやCGI-Iスコアに及ぼす他の要因、また、レトロスペクティブカルテレビューの性質上、限界がある。また、薬剤間の比較は行っていない。
・維持治療および長期的安全性は、本研究の範疇を越えていた。今後、小児集団に対する安全性を明らかにするための、オープンラベル試験や無作為化二重盲検比較対照試験が必要とされる。

出典

Pope S, et al. J Child Adolesc Psychopharmacol. 2016 Mar 30. [Epub ahead of print]

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