ロナセンテープ(ブロナンセリン)、錠剤からの切り替え用量は?

 経皮吸収型の抗精神病薬は、アドヒアランスの改善など、潜在的なベネフィットを有している。大日本住友製薬のHironori Nishibe氏らは、経皮吸収型ブロナンセリン(表品名:ロナセンテープ)1日1回の使用による線条体のドパミンD2受容体占有率について調査を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2020年9月16日号の報告。

 本研究は、ブロナンセリン錠8mg/日または16mg/日で治療された、日本人統合失調症外来患者18例(20~64歳、スクリーニング時の陽性・陰性症状評価尺度[PANSS]スコア120未満)を対象とした非盲検第II相臨床試験である。対象患者は、2~4週間のブロナンセリン錠による治療後、経口用量に基づき、2~4週間の経皮吸収型ブロナンセリン1日1回使用の1日量10mg、20mg、40mg、60mg、80mgに割り付けられた。主要評価項目は、ブロナンセリンの線条体ドパミンD2受容体占有率とし、[11C]raclopride-PET画像を用いて測定した。副次評価項目は、用量別の受容体占有率の評価、PANSSおよび臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコアの変化、アドヒアランスに対する患者の意向、経皮吸収型製剤の粘着性とした。

主な結果は以下のとおり。

・ブロナンセリン錠での治療を開始した患者18例のうち、14例が治療を完了した。
・ブロナンセリンの錠剤および経皮吸収型製剤の用量別の平均D2受容体占有率は、以下のとおりであった。
 ●ブロナンセリン錠8mg/日:59.2%(5例)
 ●ブロナンセリン錠16mg/日:66.3%(9例)
 ●経皮吸収型ブロナンセリン10mg/日:33.3%(3例)
 ●経皮吸収型ブロナンセリン20mg/日:29.9%(2例)
 ●経皮吸収型ブロナンセリン40mg/日:61.2%(3例)
 ●経皮吸収型ブロナンセリン60mg/日:59.0%(3例)
 ●経皮吸収型ブロナンセリン80mg/日:69.9%(3例)
・受容体占有率は、錠剤、経皮吸収型製剤ともに用量依存的に増加していた。
・受容体の50%阻害濃度(IC50)は、錠剤で6.9mg/日、経皮吸収型製剤で31.9mg/日であった。
・受容体占有率の日内変動は、錠剤よりも経皮吸収型製剤のほうが小さかった。
・経皮吸収型ブロナンセリンは、安全性に重大な問題は認められず、十分な忍容性が認められた。

 著者らは「ブロナンセリンの経皮吸収型製剤は錠剤と比較し、D2受容体占有率の日内変動が小さく、錠剤8mg/日から経皮吸収型製剤40mg/日、錠剤16mg/日から経皮吸収型製剤80mg/日がそれぞれ適切な切り替え用量であると考えられる。経皮吸収型ブロナンセリンは、統合失調症の潜在的な新しい治療オプションであることが示唆された」としている。

出典

Nishibe H, et al. Int J Neuropsychopharmacol. 2020 Sep 16. [Epub ahead of print]

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