統合失調症、双極性障害患者のレジリエンスに影響する因子

レジリエンスの概念は、統合失調症や双極性障害の不均一なアウトカムを理解するうえで妥当である。しかし、これら患者集団におけるレジリエンスの臨床的、生物学的相関は、ほとんど研究されていない。慶應義塾大学の水野 裕也氏らは、総合的な評価を用いて、これらの患者における主観的レジリエンスの主要な相関関係を特定し、レジリエンスレベルと末梢血中のバイオマーカーとの関連について横断研究を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年5月13日号の報告。

対象は、DSM-IVで統合失調症、双極性障害と診断された患者180例および健康成人(対照群)各グループ60例。人口統計学的および臨床的変数は、面接および種々の心理測定尺度により評価した。さらに、脳由来神経栄養因子(BDNF)、副腎皮質刺激ホルモン、コルチゾール、高感度CRP、α-アミラーゼレベルを血液と唾液のサンプルより評価した。レジリエンスとの横断的関連性は、25項目レジリエンス尺度により評価を行った。

主な結果は以下のとおり。

・レジリエンス尺度の総スコアは、対照者(130.1、95%CI:124.8~135.4)において、統合失調症患者(109.9、95%CI:104.6~115.2、p<0.001)および双極性障害患者(119.0、95%CI:113.8~124.3、p=0.012)と比較し、有意に高かった。また、両患者群において、有意な差は認められなかった(p=0.055)。
・3群すべてにおいて、自尊心、精神性、QOL、絶望感がレジリエンスと相関していた。
・また、内在的スティグマとうつ症状は、統合失調症患者および双極性障害患者において関連する因子であった。
・レジリエンスレベルと末梢血中のバイオマーカーとの関連性は有意性に達しなかった。

結果を踏まえ、著者らは「因果関係は前向き研究で確認する必要があるが、本結果は統合失調症および双極性障害患者のレジリエンスを高めるための心理社会的介入の開発に影響を与える。これら集団におけるレジリエンスの生物学的相関関係については、さらなる調査が必要である」としている。

出典

Mizuno Y, et al. Schizophr Res. 2016 May 13. [Epub ahead of print]

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