統合失調症治療、アリピプラゾールの酸化ストレスへの影響

ポーランド・ウッチ医科大学のAnna Dietrich-Muszalska氏らは、ユニークな作用機序を有する新規抗精神病薬であるアリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)に関して、酸化ストレスのマーカーであるTBARS(チオバルビツール酸反応性物質)レベルで測定したヒト血漿中脂質過酸化に及ぼす影響について、クエチアピン(セロクエルほか)、オランザピン(ジプレキサほか)、クロザピン(クロザリル)、リスペリドン(リスパダールほか)、ziprasidoneなどの他の抗精神病薬と比較し、評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年12月27日号の報告。

各抗精神病薬の比較に際しては、急性期統合失調症治療に用いられる臨床有効用量に対する最終濃度において評価を行った。TBARSレベルは、分光光度法により測定した。

主な結果は以下のとおり。

・急性期統合失調症治療に推奨される用量の抗精神病薬は、血漿中の脂質過酸化生成物(TBARS)レベルの明らかな変化を誘発する可能性があることが示唆された。
・アリピプラゾールは、血漿中の脂質過酸化マーカーのレベルに影響を及ぼさなかったが、より低用量で使用された場合、クロザピン同様にわずかな酸化促進特性を示した。
・クエチアピンは、リスペリドン、ziprasidone、ハロペリドール(セレネースほか)、クロザピンの低用量での酸化促進作用とは対照的に、最も強い抗酸化特性を示した。
・オランザピンは、低用量でのみTBARSレベルを低下させた。

著者らは「急性期統合失調症治療に推奨される用量の抗精神病薬は、血漿脂質過酸化の明らかな変化を誘発する。アリピプラゾールは、血漿脂質過酸化の有意な変化を誘発しなかった。統合失調症患者の臨床症状および抗精神病薬の使用に伴う酸化ストレスの役割を考慮するため、さらなる研究が必要である」としている。

出典

Dietrich-Muszalska A, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2017 Dec 27. [Epub ahead of print]

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