抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs. 漸減漸増

抗精神病薬の切り替えは、臨床現場では日常的に行われているが、一括置換法と漸減漸増法のどちらが好ましいスイッチング法であるかは不明である。一括置換法は、リバウンドや離脱症状の出現や増悪と関連しているのに対し、漸減漸増法はクロスオーバーアプローチで用いられる場合、相加的または相乗的な副作用リスクをきたすと考えられる。

慶應義塾大学(カナダ・オタワ大学)の竹内 啓善氏らは、抗精神病薬のスイッチング戦略について検討を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年1月1日号の報告。

MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsをシステマティックに検索した。統合失調症および、または統合失調感情障害患者の抗精神病薬スイッチングにおける一括置換法と漸減漸増法を調査した無作為化比較試験を抽出した。臨床結果に関するデータは、試験中止、錐体外路症状、治療中に出現した有害事象を含むデータが抽出された。

主な結果は以下のとおり。

・メタ解析には、適格基準を満たした9研究1,416例が含まれた。
・両スイッチング法で、臨床的に有意な差は認められなかった(all Ps>0.05)。
・感受性分析では、アリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)へのスイッチングが行われた研究または抗精神病薬の一括置換法が行われた研究では、結果が変わらなかったが、オランザピン(ジプレキサほか)またはziprasidoneへのスイッチングでは、有意な差が認められた。

著者らは「これらの知見より、抗精神病薬の一括置換法と漸減漸増法は実行可能な治療選択肢であることが示唆された。臨床医は、個々の患者ニーズに応じて、抗精神病薬のスイッチング戦略を選択することが推奨される。抗精神病薬の多剤併用を是正するためのスイッチングは、一括置換法が有効である可能性がある」としている。

出典

Takeuchi H, et al. Schizophr Bull. 2017 Jan 1. [Epub ahead of print]

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