統合失調症における抗精神病薬と代謝異常との関連が明らかに

統合失調症患者における第2世代抗精神病薬(SGA)服用と代謝異常との関連が、イタリア、ミラノ・ビコッカ大学のFrancesco Bartoli氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。所見を踏まえて著者らは、「SGAがアディポネクチンに影響するメカニズムは不明のままだが、心血管疾患ではアディポネクチン低下が関与しており、今回の所見は臨床的に重要な意味を持つ」と述べ、SGAのアディポネクチンへの長期的な影響を評価する経時的検討を行うべきと指摘している。Psychoneuroendocrinology誌2015年6月号の掲載報告。

統合失調症患者は一般集団と比べて、代謝異常の悪影響を受けやすく、そのリスクはSGAによって増大すると考えられている。血中アディポネクチン値の低下は、代謝異常に結び付く可能性があるが、統合失調症患者におけるエビデンス、とくにSGAの影響については結論が出ていない。研究グループは、システマティックレビューとメタ解析にて、統合失調症患者と健康対照の血中アディポネクチン値を比較し、統合失調症とSGAのアディポネクチンへの相対的影響を推算した。主要電子データベースで、2014年6月13日までに公表された観察研究を検索し、指数および対照群とのプール標準化平均差(SMD)を算出。サブ解析および付加的サブグループ分析を行い評価した。

主な結果は以下のとおり。

・2,735例のデータ(統合失調症患者群1,013例、非患者群1,722例)を解析に組み込んだ。
・統合失調症と、アディポネクチン低値との関連は認められなかった(SMD:-0.28、95%信頼区間[CI]:-0.59~0.04、p=0.09)。
・しかし、SGAを服用している統合失調症患者は、対照群と比べて血中アディポネクチン値が有意に低かった(p=0.002)。薬物未使用/未治療の患者とでは有意差はなかった(p=0.52)。
・単剤の抗精神病薬でみると、クロザピン(商品名:クロザリル、p<0.001)とオランザピン(ジプレキサほか、p=0.04)の服用者は、対照群と比べてアディポネクチン低値との関連が有意であった。しかしリスペリドン(リスパダールほか)服用者においては、関連が有意ではなかった(p=0.88)。

出典

Bartoli F, et al. Psychoneuroendocrinology. 2015; 56: 179-189.

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