統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ

統合失調症における抗精神病薬の多剤併用は、その有効性や安全性が不明瞭であることが一般的でコストがかかるため、多くの議論がなされている。統合失調症に対するセカンドチョイスの抗精神病薬増強療法と継続的な抗精神病薬単独療法とを比較した無作為化試験のシステマティック文献検索とランダム効果メタ解析を行った。

ドイツ・シャリテ大学のBritta Galling氏らによる、World psychiatry誌2017年2月号の報告。

共主要アウトカムは、総症状の減少、試験で定義されたレスポンスとした。

主な結果は以下のとおり。

・抗精神病薬の増強療法は、単独療法と比較し、総症状の減少に関して優れていた(16試験、694例、SMD:-0.53、95%CI:-0.87~-0.19、p=0.002)。
・しかし、優位性はオープンラベルと低クオリティの試験でのみ明らかで(各:p<0.001)、二重盲検(p=0.120)、高クオリティ試験(p=0.226)では検出されなかった。
・試験で定義されたレスポンスは、抗精神病薬増強療法と単独療法で同様であり(14試験、938例、RR:1.19、95%CI:0.99~1.42、p=0.061)、二重盲検、高クオリティ試験とも有意ではなかった(各:p=0.990)。
・クロザピン(商品名:クロザリル)と非クロザピン増強療法の研究で結果が再現された。
・全原因/特定原因による中止、臨床全般印象度(CGI:clinical global impression)、陽性症状、総合的症状、うつ症状に関して差は認められなかった。
・増強療法により陰性症状の改善が認められたが(18試験、931例、SMD:-0.38、95%CI:-0.63~-0.13、p<0.003)、それはアリピプラゾール(エビリファイほか)増強療法の研究のみであった(8試験、532例、SMD:-0.41、95%CI:-0.79~-0.03、p=0.036)。
・いくつかの副作用に関する違いとして、D2アンタゴニスト増強療法は、不眠の少なさと関連していたが(p=0.028)、プロラクチン値の上昇が多かった(p=0.015)。アリピプラゾール増強療法は、プロラクチン値の低下(p<0.001)、体重減少(p=0.030)と関連していた。

著者らは「これらのデータより、統合失調症に対する抗精神病薬増強療法の一般的な実践は、アリピプラゾール増強療法による陰性症状の改善を除き、有効性に関する二重盲検、高クオリティ試験のエビデンスが不足している」としている。

出典

Galling B, et al. World Psychiatry. 2017;16:77-89.

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