けいれん発作を起こしやすい抗精神病薬は

スイス・バーゼル大学のMarlene Bloechliger氏らは、統合失調症、情動障害、認知症患者における抗精神病薬の使用と初回けいれん発作発生との関連を検討した。その結果、情動障害患者では、中~高力価第1世代抗精神病薬の使用は抗精神病薬非服用に比べけいれん発作のリスクを2.5倍に増加したが、その他の抗精神病薬使用とけいれん発作との関連は認められなかった。また認知症患者では、amisulpride、アリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)、リスペリドン(リスパダールほか)、スルピリド(ドグマチールほか)を除く抗精神病薬で、その使用がけいれん発作リスクを増大させる所見が示されたことを報告した。CNS Drugs誌2015年7月号の掲載報告。

研究グループは、1998~2013年のUK-based Clinical Practice Research Datalinkデータベースを用いて、コホート内症例対照分析法による追跡研究を実施した。統合失調症、情動障害、認知症患者を特定し、けいれん発作誘発可能性が示唆されている4種の抗精神病薬――(1)オランザピン(ジプレキサほか)またはクエチアピン(セロクエルほか)、(2)amisulpride、アリピプラゾ-ル、リスペリドンまたはスルピリド、(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬(クロルプロマジン[ウインタミン、コントミンほか]、zuclopenthixol、flupenthixol、periciazine、promazine、thioridazine)、(4)中~高力価の第1世代抗精神病薬(ハロペリドール、プロクロルペラジン[ノバミン]、トリフロペラジン)を服用している患者、および抗精神病薬を非服用患者における、けいれん発作の発生頻度を推定した。交絡調整のため、情動障害または認知症患者におけるけいれん発作のオッズ比を、抗精神病薬の使用と使用時期で層別化し、独立して推測した。

主な結果は以下のとおり。

・コホートの総患者数は6万121例であった。
・それらのけいれん発作頻度は、1万人年当たり、(1)オランザピンまたはクエチアピン使用者で32.6(95%信頼区間[CI]:22.6~42.6)、(2)amisulpride、アリピプラゾール、リスペリドンまたはスルピリド使用者で24.1(同:13.2~34.9)、(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬使用者で49.4(同:27.7~71.0)、(4)中~高力価の第1世代抗精神病薬使用者で59.1(同:40.1~78.2)、そして抗精神病薬非服用患者では11.7(同:10.0~13.4)であった。
・認知症患者は、抗精神病薬使用の有無にかかわらず、情動障害患者と比べ初回けいれん発作の発生頻度が有意に高かった。
・情動障害患者では、非服用者と比べ(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬使用が、けいれん発作のリスク増加と関連したが(調整オッズ比:2.51、95%CI:1.51~4.18)、他の抗精神病薬の使用との関連は認められなかった。
・認知症患者においては、非服用者と比べ(1)オランザピンまたはクエチアピンの使用(調整オッズ比:2.37、95%CI:1.35~4.15)、(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬の使用(同:3.08、1.34~7.08)、(4)中~高力価の第1世代抗精神病薬の使用(同:2.24、1.05~4.81)は、けいれん発作のリスク増加と関連したが、(2)amisulpride、アリピプラゾール、リスペリドンまたはスルピリドの使用との関連は示されなかった(同:0.92、0.48~1.75)。
・統合失調症患者における抗精神病薬の使用に関しては、対象数が少なく検討できなかった。

出典

Bloechliger M, et al. CNS Drugs. 2015;29:591-603.

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