抗精神病薬の種類・剤形の変更は服薬アドヒアランスを向上させるのか

抗精神病薬のアドヒアランスは統合失調症の治療成績向上に寄与するが、アドヒアランス行動に最も影響している要因についてのコンセンサスはない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのKyra-Verena Sendt氏らは、その要因を特定すべくシステマティックレビューを行った。対象論文の選定は方法論的に難しく、多くの研究が小規模であり、アドヒアランス率も大きく異なっていたが、いくつかの要因について知見が得られた。著者らは、「この分野の研究では横断的デザインが広く用いられているが、臨床的に意義のある枠組みを提示するためには自然主義的で長期にわたる大規模な前向き研究を優先的に行うべきである」とまとめている。Psychiatry Research誌2015年1月号の掲載報告。

研究グループは、統合失調症スペクトラム障害の薬物療法に対するアドヒアランスに関与する要因を特定する目的でアドヒアランス、抗精神病薬、統合失調症に関する論文を検索し、方法論的に厳密な研究を適格とした。計13件(6,235例)の観察研究データがレビューに組み込まれた。

主な結果は以下のとおり。

・報告されたアドヒアランス率は、47.2~95%と大きく異なっていた。
・薬物療法に積極的に取り組む姿勢および病識が、より良好なアドヒアランスと一貫して関連する唯一の要因であった。
・社会人口統計学的特性、症状の重症度、副作用とアドヒアランスとの関連については、矛盾した結果が得られた。
・個別の治療関係、若年者における社会的支援は、良好なアドヒアランスと関連していた。
・抗精神病薬の種類や剤形、神経認知機能はアドヒアランスに影響しないことが示唆された。

出典

Sendt KV, et al. Psychiatry Res. 2015; 225: 14-30.

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