抗精神病薬の有害事象、その発現率やマネジメントの方法は

抗精神病薬は統合失調症およびその他の精神障害に広く処方されているが、一方で有害事象およびアドヒアランスへのネガティブな影響が共通して認められる。しかしこれまで、有害事象の発現率やマネジメントに注目した検討はほとんど行われていなかった。英国・エディンバラ大学のSu Ling Young氏らは、抗精神病薬の有害事象の発現率およびマネジメントについて系統的レビューを行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2014年12月16日号の掲載報告。

研究グループは本検討で、抗精神病薬の9種の臨床的に重要な有害事象の発現率とマネジメントについてレビューした。9種は、錐体外路症状、鎮静作用、体重増加、2型糖尿病、高プロラクチン血症、メタボリックシンドローム、脂質異常症、性機能障害、心血管への影響であった。事前に検索基準を特定し、3つのデータベースの検索と引用・参考文献の手動検索でシステマティックレビューを行った。2人の研究者が要約または全文をレビュー後、包含基準について合意を得た。包含した論文の質的評価は、事前に同意確認した基準を用いて行った。

主な結果は以下のとおり。

・合計53試験が、包含基準を満たした。
・有害事象の発現頻度の増大は、抗精神病薬の多剤投与と関連していた。
・投与期間の長さは、有害事象の重症化(例:BMI値が高値)と関連していた。
・クロザピンは、3試験におけるその他抗精神病薬との比較において、代謝障害との関連がより強かった。
・オランザピン(商品名:ジプレキサほか)は、3試験で体重増加と最も関連していた。
・高プロラクチン血症は、男性よりも女性で一般的であった。
・性機能障害は男性が50%に対し女性は25~50%であった。
・臨床ガイドラインの推奨にもかかわらず、脂質および血糖値のベースラインでの検査率は低率であった。
・7試験で有害事象のマネジメント戦略が述べられていたが、その有効性について調べていたのは2試験のみであった。そのうち1試験は、非投薬の集団療法により体重の有意な減少を、もう1試験はスタチン療法により脂質異常の有意な減少を認めた。
・総括すると、抗精神病薬の有害事象は多様でしばしばみられる。しかし、系統的評価は多くない。
・有害事象マネジメントに関する科学的研究を、さらに行う必要性がある。

出典

Young SL, et al. J Psychopharmacol. 2014 Dec 16. [Epub ahead of print]

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