統合失調症治療薬への感受性、病識などに及ぼす影響は

病識の障害(impaired illness awareness)とドパミンD2受容体(D2R)占有率との関係は、よくわかっていない。病識の障害は、疾患重症度や認知機能障害と関連が認められる。統合失調症の主な治療に用いられる抗精神病薬は、病識の障害を間接的に改善するが、同時に治療用量において、認知機能障害を引き起こす可能性がある。カナダ・トロント大学のMiracle Ozzoude氏らは、抗精神病薬による推定D2R占有率が、病識の障害と疾患重症度および認知機能との関係に及ぼす影響について調査を行った。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2018年8月30日号の報告。

CATIEデータを用いて、18~62歳の統合失調症患者373例を対象に、病識の障害の評価を行った。病識の障害は、PANSSのG12項目(判断力と病識の欠如)を用いて測定した。D2R占有レベルは、リスペリドン(商品名:リスパダールほか)、オランザピン(ジプレキサほか)、ziprasidoneの血中濃度から推定した。病識の障害と疾患重症度、認知機能、推定D2R占有率との関係についての分析には、相関分析、回帰分析、経路分析を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・疾患重症度は、病識の障害の予測因子であった。
・しかし、病前IQ、認知機能、推定D2R占有率は、病識の障害を予測しなかった。
・推定D2R占有率は、回帰分析、経路分析のいずれにおいても、中間変数および調整変数ではなかった。

著者らは「これまでの研究結果と同様に、成人統合失調症患者の疾患重症度は、病識の障害と関連していることが示唆された。今後の研究において、認知機能、病識の障害、抗精神病薬の感受性に対する加齢の影響を考慮すると、60歳以上の高齢統合失調症患者におけるD2R占有率が、病識の障害と疾患重症度および認知機能障害に影響を及ぼすかを検討すべきである」としている。

出典

Ozzoude M, et al. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2018 Aug 30. [Epub ahead of print]

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