各種抗精神病薬の有効用量と等価換算量

 統合失調症に対する抗精神病薬の用量反応関係は、明確に定義されていない。しかし、このような情報は臨床医が意思決定を行ううえで、非常に重要である。そこで著者らは、用量反応のメタ解析を実施することにより、このギャップを解決しようと試みた。ドイツ・ミュンヘン工科大学のStefan Leucht氏らによる、The American Journal of Psychiatry誌2020年4月1日号の報告。

 2018年11月までの統合失調症患者を対象とした20種類の第2世代抗精神病薬およびハロペリドール(経口剤および長時間作用型持効性注射剤[LAI])のプラセボ対照用量設定研究を、複数の電子データベースより検索した。用量反応曲線は、ランダム効果用量反応メタ解析およびスプラインモデルで作成した。アウトカム測定値は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)または簡易精神症状評価尺度(BPRS)の合計スコアのベースラインからの減少とした。ED95を特定し、現在承認されている用量が適切であるかを評価し、等価換算量を算出した。

主な結果は以下のとおり。

・選択基準を満たした研究は、68件であった。

・陽性症状患者に対する各薬剤のED95と経口リスペリドン1mgに対する等価換算量は以下のとおりであった。
 ●amisulpride(ED95:537mg/日、等価換算量:85.8mg)
 ●アリピプラゾール(ED95:11.5mg/日、等価換算量:1.8mg)
 ●アリピプラゾールLAI(ED95:463mg/4週、等価換算量:264mg)
 ●アセナピン(ED95:15.0mg/日、等価換算量:2.4mg)
 ●ブレクスピプラゾール(ED95:3.36mg/日、等価換算量:0.54mg)
 ●ハロペリドール(ED95:6.3mg/日、等価換算量:1.01mg)
 ●iloperidone(ED95:20.13mg/日、等価換算量:3.2mg)
 ●ルラシドン(ED95:147mg/日、等価換算量:23.5mg)
 ●オランザピン(ED95:15.2mg/日、等価換算量:2.4mg)
 ●オランザピンLAI(ED95:277mg/2週、等価換算量:3.2mg)
 ●パリペリドン(ED95:13.4mg/日、等価換算量:2.1mg)
 ●パリペリドンLAI(ED95:120mg/4週、等価換算量:1.53mg)
 ●クエチアピン(ED95:482mg/日、等価換算量:77mg)
 ●リスペリドン(ED95:6.3mg/日、等価換算量:1mg)
 ●リスペリドンLAI(ED95:36.6mg/2週、等価換算量:0.42mg)
 ●sertindole(ED95:22.5mg/日、等価換算量:3.6mg)
 ●ziprasidone(ED95:186mg/日、等価換算量:30mg)

・amisulprideとオランザピンは、陰性症状が主体な患者に関する特定のデータが利用可能であった。

・著者らは、この方法および実際の等価換算量を推定するために使用できる更新された方法を含むスプレッドシートを、Webサイトに公開した。

 著者らは「急性増悪を伴う慢性期統合失調症患者において、ED95よりも高用量では、平均的により高い有効性を得られない可能性がある。一部の薬剤では、用量反応曲線がプラトーにならなかったため、現在承認されている用量よりも高用量の試験が今後行われる可能性がある」としている。

出典

Leucht S, et al. Am J Psychiatry. 2020;177:342-353.

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