抗精神病薬誘発性傾眠、薬剤間の違いは

傾眠は、抗精神病薬の一般的な副作用の1つである。中国・Shanghai Hongkou District Mental Health CenterのFang Fang氏らは、統合失調症、躁病、双極性うつ病、双極性障害に対し抗精神病薬を処方された成人患者を対象としたプラセボまたは実薬対照無作為化二重盲検試験についてMEDLINE検索を行い、傾眠の副作用発現率を評価した。CNS drugs誌オンライン版2016年7月2日号の報告。

元文献より、傾眠の発現率を抽出し、精神状態別に各抗精神病薬の投与量に基づきプールした。その後、絶対リスクの増加(ARI)、抗精神病薬の相対的なNNHを推定し、精神状態別にプラセボまたは実薬(対照薬)との比較を行った。

主な結果は以下のとおり。

●急性の統合失調症、双極性躁病、双極性うつ病における傾眠のARIは、以下に分類できた。
・重度:クロザピン(商品名:クロザリル)
・中等度:オランザピン(ジプレキサほか)、ペルフェナジン(ピーゼットシーほか)、クエチアピン(セロクエルほか)、リスペリドン(リスパダールほか)、ziprasidone
・軽度:アリピプラゾール(エビリファイ)、アセナピン(シクレスト)、ハロペリドール(セレネースほか)、lurasidone、パリペリドン(インヴェガほか)、cariprazine
●ブロナンセリン(ロナセン)、ブレクスピプラゾール(レキサルティ)、クロルプロマジン(コントミンほか)、iloperidone、sertindole、ゾテピン(ロドピンほか)による傾眠リスクは、今後の調査が必要である。
●傾眠の発現率は、いくつかの抗精神病薬において用量および投与期間と正の相関が認められた。
●抗精神病薬自体を含む多くの要因(傾眠を測定する方法、患者集団、研究デザイン、投与スケジュール)が、抗精神病薬誘発性傾眠の発現率に影響を与える可能性がある。
●抗精神病薬誘発性傾眠のメカニズムには、複数の要因がある可能性があり、ヒスタミン1受容体、α1受容体の遮断が重要な役割を担っていると考えられる。
●抗精神病薬誘発性傾眠の管理のために、以下を行う必要がある。
・睡眠衛生教育を行う
・傾眠リスクの低い抗精神病薬を選択する
・精神医学的診断に基づき低用量から開始し、ゆっくりと増量する
・必要な場合、投与量を調整する
・傾眠が起きやすい薬剤の併用を最小限とする
●ほとんどの場合、傾眠は軽度~中等度であるため、抗精神病薬を中止する前に最低でも4週間は継続することが合理的である。

出典

Fang F, et al. CNS Drugs. 2016 Jul 2. [Epub ahead of print]

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