抗うつ薬や気分安定薬による統合失調症補助療法は支持されるか

統合失調症の第1選択薬は、抗精神病薬であるが、しばしば抗うつ薬や気分安定薬などによる補助療法が行われている。しかし、初回エピソード統合失調症患者に対する情報は限られている。フィンランド・東フィンランド大学のArto Puranen氏らは、初回エピソード統合失調症患者に対する抗うつ薬および気分安定薬の使用や関連する要因について調査を行った。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2020年1月15日号の報告。

1996~2014年にフィンランドで統合失調症の入院治療を行い、初回入院治療時に抗うつ薬または気分安定薬を使用しなかった患者を特定するため、レセプトデータベースを用いた。対象患者は7,667例、平均年齢は40.2±18.2歳であった。1995~2017年の処方データは、National Prescription registerより取得し、PRE2DUP法でモデル化した。抗うつ薬および気分安定薬の使用開始は、初回統合失調症診断より3年間のフォローアップを行った。抗うつ薬または気分安定薬の使用に関連する要因は、Cox比例ハザードモデルを用いて調査した。

主な結果は以下のとおり。

・初回エピソード統合失調症患者において、診断後3年以内に抗うつ薬を開始した患者は35.4%、気分安定薬の使用を開始した患者は14.1%であった。
・抗うつ薬および気分安定薬の使用開始の高リスクと関連していた要因は、女性、若年、ベンゾジアゼピン使用であった。
・過去の精神疾患数は、抗うつ薬の使用リスクの減少および気分安定薬の使用リスクの増加との関連が認められた。

著者らは「臨床ガイドラインでは、統合失調症の補助療法として、抗うつ薬や気分安定薬の使用を推奨することはほとんどないが、実際にはしばしば使用されている。これら薬剤の補助療法としてのリスクを評価するためには、さらなる研究が必要とされる」としている。

出典

Puranen A, et al. Eur J Clin Pharmacol. 2020 Jan 15. [Epub ahead of print]

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