統合失調症に対する抗うつ薬増強療法、その効果は?

抗精神病薬で維持治療を行っている統合失調症患者に対する、抗うつ薬増強療法の有効性と安全性について、ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のB. Galling氏らが評価を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌2018年3月号の報告。

PubMed、MEDLINE、PsycINFO、Cochrane Libraryより、データベースの初めから2017年10月10日までの、統合失調症に対する抗うつ薬増強療法の有効性に焦点を当てたプラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験を、システマティックに検索した。

主な結果は以下のとおり。

・42件(1,934例、期間:10.1±8.1週)のランダム効果メタ解析では、抗うつ薬増強療法はプラセボと比較し、全体の症状に関して軽減が認められた(SMD:-0.37、95%CI:-0.57~-0.17、p<0.001)。これは陰性症状の改善(SMD:-0.25、95%CI:-0.44~-0.06、p=0.010)によるものであり、陽性症状(p=0.190)および全般症状(p=0.089)では改善が認められなかった。
・第1世代抗精神病薬への抗うつ薬増強療法の研究において、陰性症状の優越性が認められたが(SMD:-0.42、95%CI:-0.77~-0.07、p=0.019)、第2世代抗精神病薬では認められなかった(p=0.144)。
・NaSSA(ミルタザピン:商品名:レメロン、リフレックス)においてのみ、全体の症状軽減(SMD:-0.71、95%CI:-1.21~-0.20、p=0.006)の優越性は陰性症状(p=0.438)によるものではなく、陽性症状の改善(SMD:-0.43、95%CI:-0.77~-0.09、p=0.012)によりもたらされた。
・抗うつ薬では、プラセボより優れたうつ症状の改善は認められなかった(p=0.185)。
・抗うつ薬増強療法では、口渇(RR:1.57、95%CI:1.04~2.36、p=0.03)を除き、有害事象および全原因/特定の原因による試験中止との関連は認められなかった。

著者らは「抗精神病薬で維持治療を行っている統合失調症患者に対して、抗うつ薬の追加は、全体の症状(とくに陰性症状)の軽減に有用である。しかし、その効果は軽度~中程度であり、抗うつ薬によっても異なり、また陰性症状の改善は第1世代抗精神病薬への増強療法に限られるようである」としている。

出典

Galling B, et al. Acta Psychiatr Scand. 2018;137:187-205.

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