急性期統合失調症治療、アリピプラゾールとブレクスピプラゾールに違いはあるか

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、急性期統合失調症に対するアリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)とブレクスピプラゾール(レキサルティ)の有効性および安全性、忍容性を評価するため、ランダム化試験のシステマティックレビュー、ネットワークメタ解析を実施した。Psychopharmacology誌2020年5月号の報告。

 2019年5月22日までの研究を、Scopus、MEDLINE、Cochrane Libraryより検索した。主要アウトカムは治療反応率とし、副次的アウトカムは中止率、有害事象発生率とした。リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。

主な結果は以下のとおり。

・抽出された研究は14件(3,925例)であった。

・アリピプラゾールおよびブレクスピプラゾールの治療反応率は、両剤ともにプラセボよりも優れていた。

【治療反応率】
 ●アリピプラゾール:RR=0.84(95%CI:0.78~0.92)
 ●ブレクスピプラゾール:RR=0.84(95%CI:0.77~0.92)

・アリピプラゾールおよびブレクスピプラゾールのすべての原因による中止率、有害事象発生率、効果不十分の割合は、両剤ともにプラセボよりも低かった。

【すべての原因による中止率】
 ●アリピプラゾール:RR=0.80(95%CI:0.71~0.89)
 ●ブレクスピプラゾール:RR=0.83(95%CI:0.72~0.95)

【有害事象発生率】
 ●アリピプラゾール:RR=0.67(95%CI:0.47~0.97)
 ●ブレクスピプラゾール:RR=0.64(95%CI:0.46~0.94)

【効果不十分の割合】
 ●アリピプラゾール:RR=0.56(95%CI:0.40~0.77)
 ●ブレクスピプラゾール:RR=0.68(95%CI:0.48~0.99)

・ブレクスピプラゾールの有害事象としての統合失調症症状の発生率は、プラセボよりも低かった(RR:0.57、95%CI:0.37~0.85)。

・アリピプラゾールおよびブレクスピプラゾールの体重増加の発生率は、両剤ともにプラセボよりも高かった。

【体重増加の発生率】
 ●アリピプラゾール:RR=2.12(95%CI:1.28~3.68)
 ●ブレクスピプラゾール:RR=2.14(95%CI:1.35~3.42)

・傾眠、アカシジア、錐体外路症状、めまいなどの個々の有害事象の発生率は、アリピプラゾールまたはブレクスピプラゾールとプラセボとの間に有意な差は認められなかった。

・アリピプラゾールとブレクスピプラゾールのアウトカムに違いは認められなかった。

 著者らは「急性期統合失調症に対するアリピプラゾールとブレクスピプラゾールの有効性および安全性の短期的な違いは認められなかった。両剤間に長期的なアウトカムの違いがあるかを明らかにするためには、さらなる研究が求められる」としている。

出典

Kishi T, et al. Psychopharmacology (Berl). 2020;237:1459-1470.

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