急性興奮状態に対するミダゾラム(ドルミカム)の効果は

 香港大学のEsther W. Chan氏らは、救急での急性期興奮症状に対する最初の薬物療法として、オランザピン(商品名:ジプレキサほか)またはハロペリドール(セレネースほか)筋注製剤の安全性および有効性に関して、ミダゾラム(ドルミカムほか)との比較検討を行った。EClinicalMedicine誌2021年2月11日号の報告。

 香港の6ヵ所の救急部を対象として、2014年12月~2019年9月にプラグマティックランダム化二重盲検アクティブコントロール試験を実施した。非経口の鎮静薬を必要とする急性期興奮症状を有する18~75歳の患者を、ミダゾラム筋注5mg群(56例)、オランザピン筋注5mg群(54例)、ハロペリドール筋注5mg群(57例)にランダムに割り付けた。主要アウトカムは、適切な鎮静を達成するまでの時間、各フォローアップ時点で適切な鎮静を達成した患者の割合とした。鎮静レベルの測定には、6レベルの検証済み尺度(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT02380118)を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・ランダム化された206例中167例(平均年齢:42歳、男性:98例[58.7%])を分析した。

・各薬剤の鎮静を達成するまでの時間の中央値は、以下のとおりであった。
 ●ミダゾラム筋注5mg群:8.5分(IQR:8.0)
 ●オランザピン筋注5mg群:11.5分(IQR:30.0)
 ●ハロペリドール筋注5mg群:23.0分(IQR:21.0)

・60分後で適切な鎮静を達成した患者の割合に差は認められなかった(各々:98%、87%、97%)。

・ミダゾラムの鎮静を達成するまでの時間は、オランザピン(p=0.03)およびハロペリドール(p=0.002)と比較し、統計学的に有意な差が認められた。

・有害事象の発生率は、3群間で同様であった。

・ハロペリドール群において、ジストニア1例、心停止1例が報告された。

 著者らは「ミダゾラム筋注は、オランザピンやハロペリドールと比較し、急性期興奮症状を有する患者において、早期の鎮静作用が認められた。ミダゾラムとオランザピン筋注は、ハロペリドールよりも、早期の鎮静作用が期待でき、心血管系および錐体外路系の副作用リスクが低いと考えられる」としている。

出典

Chan EW, et al. EClinicalMedicine. 2021;32:100751.

タイトルとURLをコピーしました