アルコール離脱症候群に早期集中ベンゾジアゼピン療法が有効

アルコール離脱症候群(AWS)治療の現在のエビデンスでは、症状誘発療法(symptom-triggered therapy)が支持されている。早期段階での集中的なベンゾジアゼピン(BZD)治療は、ICU滞在期間を短縮させるといわれているが、在院日数への影響については、よくわかっていない。米国・カリフォルニア大学のJin A. Lee氏らは、最初の24時間での集中的なBZD治療がAWS患者の在院日数を短縮させるかどうかについて、介入前後コホート研究により検討を行った。Clinical Toxicology誌オンライン版2019年2月7日号の報告。

対象は、重度AWS患者。介入前コホート(PRE)は、2015年1~11月に入院した患者とし、鎮痛尺度(Richmond Agitation-Sedation Scale:RASS)に基づき、ジアゼパム(商品名:セルシン、ホリゾンほか)およびフェノバルビタール(フェノバールほか)の漸増による症状誘発療法(symptom-triggered therapy)を行った。介入後コホート(POST)は、2016年4月~2017年3月に入院した患者とし、最初の24時間(導入相)でジアゼパムおよびフェノバルビタールの漸増療法を行い、その後72時間(終了相)ですべての治療を終了させた。重度AWSの定義は、ジアゼパム30mg超を必要とする患者とした。集中治療の定義は、AWS診断後24時間以内の総ジアゼパム投与量の50%超とした。AWSの非興奮症状、ジアゼパム追加用量を評価するためRASSの補助としてSHOT尺度を用いた。主要アウトカムは、在院日数とし、副次的アウトカムは、ICU滞在日数、BZD使用、人工呼吸器未使用日数とした。

主な結果は以下のとおり。

・AWSプロトコルを用いて治療した患者532例中、113例が重度AWSであった。
・PRE群75例、POST群38例の年齢、性別、AWS歴、疾患重症度は均一であった。
・集中治療を受けたPOST群では、かなりの差が認められた(51.3%vs.73.7 %、p=0.03)。
・POST群では、在院日数(14.0日vs.9.8日、p=0.03)およびICU滞在日数(7.4日vs.4.4日、p=0.03)において、有意な短縮が認められた。

著者らは「重度AWS患者の対する早期集中マネジメントは、ICU滞在期間や在院日数の減少させることが示唆された」としている。

出典

Lee JA, et al. Clin Toxicol (Phila). 2019 Feb 7. [Epub ahead of print]

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