新たな測定方法で複数の向精神薬の血中濃度をまとめて測定

向精神薬治療は薬物動態学的特性の個体差が大きいため十分な治療効果が得られない場合があるが、薬物血中濃度モニタリング(TDM)は、患者個々に投与された用量の効果を調べる有効な方法である。中国・昆明医科大学附属第一医院のJingjing Wang氏らは、TDM等に応用するため、抗精神病薬、抗うつ薬および抗認知症薬計17種の血漿中濃度を測定する、超高速液体クロマトグラフィー(UFLC)-タンデム質量分析法を開発し検証を行った。その結果、新しい測定法はTDMのすべての基準を満たしており、著者らの病院の日常診療において、抗精神病薬および抗うつ薬のTDMとして有用であったと報告している。Therapeutic Drug Monitoring誌2015年10月号の掲載報告。

研究グループは、従来の方法(0.1%ギ酸を含むメタノール/アセトニトリルで沈殿したたんぱく質の固相抽出)に代わる新たな方法として、0.1%ギ酸とアセトニトリルからなる移動相でSynergy 3u-Hydro-RP(2.0×50mm、3μm)カラムを使用するタンデム質量分析を組み合わせたUFLCを開発し、定量分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・新しい測定法により、一般的によく使用される抗精神病薬8種類(アリピプラゾール、クロルプロマジン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、ziprasidone、クロザピン、オランザピン)、抗うつ薬8種類(citalopram、エスシタロプラム、ミルタザピン、fluoxetine、パロキセチン、セルトラリン、O-desmethylvenlafaxin+venlafaxine、フルボキサミン)および抗認知症薬1種類(ドネペジル)を同時に簡便かつ速やかに測定できた。
・クロマトグラフィー分離の実行時間は計6分であった。
・精度は0.90~14%、正確度は88.5~118%であった。
・キャリブレーションには、臨床使用濃度をカバーし検出力のある6点標準曲線を使用した。
・マトリックス効果によるイオン抑制と内部標準を調査した結果、回収率は89~110%であった。

出典

Wang J, et al. Ther Drug Monit. 2015;37:649-660.

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