抗精神病薬の虚血性脳卒中リスクを比較、第1世代と第2世代抗精神病薬の違いは

従来抗精神病薬(CAP)と非定型抗精神病薬(AAP)で、虚血性脳卒中のリスクに違いがあるのか。韓国医薬品安全性・リスク管理研究所のJu-Young Shin氏らは、高齢者を対象にCAPとAAPの虚血性脳卒中リスクを比較した。その結果、CAPであるクロルプロマジン(商品名:ウインタミン、コントミンほか)およびハロペリドール(セレネースほか)の虚血性脳卒中リスクが高いことが示された。CAPとAAPにおける虚血性脳卒中リスクの差に対する関心が高まっているが、今回示された結果を受けて著者は、「所見は、AAPに伴う重篤な有害事象を考慮してCAPを高齢者に処方する場合、とくに注意を払う必要性があることを示すものであった」とまとめている。PLOS ONEオンライン版2015年3月19日号の掲載報告。

本研究では、CAPまたはAAPを投与した高齢患者の虚血性脳卒中リスクを比較した。
新規にCAP(ハロペリドールまたはクロルプロマジン)およびAAP(リスペリドン[リスパダールほか]、クエチアピン[セロクエルほか]、オランザピン[ジプレキサほか]のいずれか)を処方した高齢患者7万1,584例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。健康保険審査評価院(HIRA)によるNational Claims Databaseにおいて2006年1月1日から2009年12月31日までのデータを使用した。虚血性脳卒中発症例を特定し(ICD-10, I63)、AAP、CAPそして各抗精神病薬のハザード比(HR)を、多変量Cox回帰モデルを用い、リスペリドンを基準として算出した。

主な結果は以下のとおり。

・合計7万1,584例のうち、リスペリドンが2万4,668例、クエチアピンが1万5,860例、オランザピンが3,888例、ハロペリドールが1万9,564例、クロルプロマジンが7,604例に処方されていた。
・クロルプロマジン処方例のリスクがかなり高く(HR:3.47、95%信頼区間[CI]:1.97~5.38)、次いで、ハロペリドール(同:2.43、1.18~3.14)、クエチアピン(1.23、0.78~2.12)、オランザピン(1.12、0.59~2.75)の順であった。
・クロルプロマジンの150日以上の長期処方は、それ以下の短期間投与に比べリスクが高かった(HR:3.60、95%CI:1.83~6.02)。
・クロルプロマジンおよびハロペリドール使用例は、リスペリドン使用例に比べ、虚血性脳卒中のリスクが大きかった。

出典

Shin JY, et al. PLoS One. 2015; 10. eCollection 2015.

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