不眠症患者のQOL、ベンゾジアゼピン使用でさらなる低下も

米国・テキサス大学オースティン校のJulieta Scalo氏らは、全米の代表的な検体を用いて、不眠症および処方された睡眠薬の使用と健康関連QOLとの関連を評価した。その結果、処方睡眠薬の使用有無にかかわらず、不眠症は身体的・精神的QOLスコアの低下と関連していること、ベンゾジアゼピン系薬の使用は、身体的QOLスコアのさらなる低下と関連していたことなどを報告した。Quality of Life Research誌オンライン版2014年11月29日号の掲載報告。

本検討は、後ろ向きに評価されていたという点で限定的であったが、初となる国家レベルの処方睡眠薬使用を評価した研究であった。重回帰分析法にて、2005~2009年のMedical Expenditure Panel Surveyの被験者で、不眠症と診断された患者を、非診断群と比較した。また、診断群の患者について、処方睡眠薬使用者と非使用者を比較した。

主な結果は以下のとおり。

・対象者は、成人10万4,274例であった。そのうち不眠症と診断された人は1.3%(1,401例)であった。
・不眠症被験者のうち、45.6%(639例)が、処方睡眠薬を使用していた。
・不眠症被験者は、身体的側面のQOL評価項目(PCS)スコアは平均9.2ポイント、精神的側面のQOL評価項目(MCS)スコアは平均7.0ポイント、いずれも有意に低かった(p<0.001)。
・人口統計学的および臨床的共変量で補正後も、その差は有意なままだった(PCSスコア5.1ポイント、MCSスコア6.2ポイント、p<0.001)。
・不眠症被験者において、処方睡眠薬使用者(639例)と非使用者(762例)の健康関連QOL(HRQoL)のスコアについて、差はみられなかった。
・薬のクラス別にみた分析で、ベンゾジアゼピン系薬使用患者(129例)のPCSスコアが、ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト使用患者(493例)と比べて有意に低かった(7.5ポイント差、p<0.001)。しかし、補正後の差は有意ではなかった(3.8ポイント差、p=0.018)。
・これらの結果を踏まえて著者は、次なるステップとして、1人の患者で処方睡眠薬の使用と非使用を検討した試験や、さらに不眠症治療効果を測定するHRQoLの感度の評価が必要だとまとめている。

出典

Scalo J, et al. Qual Life Res. 2014 Nov 29. [Epub ahead of print]

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