男性てんかん患者へのバルプロ酸、生殖内分泌不全に注意を

バルプロ酸(商品名:デパケンほか)は、ブロードスペクトラムな抗てんかん薬であり、ほとんどの特発性および症候性の全般てんかんに対し、第1選択薬として用いられる。多くの研究において、抗てんかん薬が男性の生殖内分泌不全を引き起こすことが示唆されているが、これらの機能不全に関する明確な病因はわかっていない。中国医科大学附属第一病院のShanshan Zhao氏らは、男性てんかん患者における生殖内分泌機能に対するバルプロ酸の影響を評価するため、システマティックレビュー、メタ解析を実施した。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2018年6月22日号の報告。

2017年12月までの電子データベースから適格文献を検索した。バルプロ酸による治療を行った男性てんかん患者(治療群)における生殖因子、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)、アンドロステンジオン(ADION)について、標準化平均差(SMD)と95%信頼区間(CI)を用いて対照群との比較を行った。

主な結果は以下のとおり。

・6つの文献より、316例が抽出された。
・治療群のFSH(SMD:-1.33、95%CI:-2.60~-0.07、p=0.039)およびテストステロン(SMD:-0.45、95%CI:-0.87~-0.03、p=0.038)レベルは、対照群と比較し、有意な減少が認められた。
・治療群においてSHBG(SMD:0.41、95%CI:-0.21~1.03、p=0.197)、DHEAS(SMD:0.20、95%CI:-0.06~0.45、p=0.126)、ADION(SMD:0.73、95%CI:-0.10~1.57、p=0.086)レベルの増加およびLH(SMD:-0.71、95%CI:-1.49~0.07、p=0.075)レベルの低下が認められたが、統計学的に有意な差は認められなかった(p>0.05)。

著者らは「バルプロ酸は、男性てんかん患者の生殖内分泌機能不全に影響を及ぼす可能性がある。臨床医は、生殖可能年齢の男性てんかん患者にバルプロ酸を処方する際には、慎重に行うべきである」としている。

出典

Zhao S, et al. Epilepsy Behav. 2018 Jun 22. [Epub ahead of print]

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