抗てんかん薬による催奇形に、とくに注意が必要な薬剤は

抗てんかん薬による催奇形リスクを比較したエビデンスは不十分であり、とくに投与量に関連したエビデンスが不足している。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のTorbjorn Tomson氏らは、抗てんかん薬の先天性奇形の発症頻度を比較するため、単剤療法で最も一般的に使用される8種類の抗てんかん薬について検討を行った。The Lancet. Neurology誌オンライン版2018年4月18日号の報告。

EURAP国際レジストリに基づいた、縦断的プロスペクティブコホート研究を実施した。妊娠時に抗てんかん薬の単剤療法を受けていた女性の妊娠データを、EURAPに参加している42ヵ国よりプロスペクティブに特定した。各妊娠期、出産時、出産1年後のフォローアップデータを収集した。主要な目的は、一般的に使用される8種類の抗てんかん薬(カルバマゼピン[商品名:テグレトールほか]、ラモトリギン[ラミクタールほか]、レベチラセタム[イーケプラ]、オクスカルバゼピン[オクノベル]、フェノバルビタール[フェノバールほか]、フェニトイン[アレビアチンほか]、トピラマート[トピナほか]、バルプロ酸[デパケンほか])のうち1剤を投与された妊婦の子における、出産1年後の主要な先天性奇形リスクの比較とした。また、用量依存性が特定された場合には、さまざまな用量の範囲でリスクを比較した。潜在的な交絡因子および予後因子で調整した後、ロジスティック回帰を用いて治療間の直接比較を行った。

主な結果は以下のとおり。

・1999年6月20日~2016年5月20日までに適格基準を満たした妊婦は、7,555例であった。
・そのうち、8種類の抗てんかん薬のうち1剤を投与された妊婦は、7,355例であった。
・薬剤ごとの主要な先天性奇形の有病率は以下のとおりであった。
●バルプロ酸:1,381例中142例(10.3%)
●フェノバルビタール:294例中19例(6.5%)
●フェニトイン:125例中8例(6.4%)
●カルバマゼピン:1,957例中107例(5.5%)
●トピラマート:152例中6例(3.9%)
●オクスカルバゼピン:333例中10例(3.0%)
●ラモトリギン:2,514例中74例(2.9%)
●レベチラセタム:599例中17例(2.8%)

・主要な先天性奇形の有病率は、カルバマゼピン(p=0.0140)、ラモトリギン(p=0.0145)、フェノバルビタール(p=0.0390)、バルプロ酸(p<0.0001)の妊娠時の用量に依存して増加した。
・調整後の多変量解析では、ラモトリギン325mg/日以下よりも、カルバマゼピンの全用量、バルプロ酸の全用量、フェノバルビタール80mg/日超において、主要な先天性奇形の有病率が有意に高かった。
・バルプロ酸650mg/日以下は、レベチラセタム250~4,000mg/日と比較し、主要な先天性奇形リスクの増加と関連が認められた(オッズ比:2.43、95%CI:1.30~4.55、p=0.0069)。
・カルバマゼピン700mg/日超は、レベチラセタム250~4,000mg/日と比較し、主要な先天性奇形リスクの増加と関連が認められた(オッズ比:2.41、95%CI:1.33~4.38、p=0.0055)。
・カルバマゼピン700mg/日超は、オクスカルバゼピン75~4,500mg/日と比較し、主要な先天性奇形リスクの増加と関連が認められた(オッズ比:2.37、95%CI:1.17~4.80、p=0.0169)。

著者らは「本検討より、催奇形リスクは、抗てんかん薬の種類や用量により異なることが示唆された。ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピンに関連する主要な先天性奇形リスクは、抗てんかん薬の使用がなかった妊婦の子について報告された結果と同程度であった。本知見より、治療選択肢に関連するリスクの比較を考慮した、抗てんかん薬の合理的な選択が可能となる。なお、本検討ではトピラマートとフェニトインの症例数が少ないため、慎重に考慮すべきである」としている。

出典

Tomson T, et al. Lancet Neurol. 2018 Apr 18. [Epub ahead of print]

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