SSRI治療抵抗性うつ病、アリピプラゾール補助療法の作用メカニズム

 これまでの研究では、抗うつ作用に対するセロトニン2B(5-HT2B)受容体の関与が示唆されている。アリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)は、治療抵抗性うつ病に対し選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)との併用で有効性が認められており、すべての受容体のうち5-HT2B受容体への親和性が最も高い薬剤である。しかし、治療抵抗性うつ病の補助療法において5-HT2B受容体拮抗作用の潜在的な影響はあまり知られていなかった。カナダ・オタワ大学のRami Hamati氏らは、SSRI存在下における5-HT2B受容体拮抗作用の神経ニューロンに対する影響を検討した。Neuropsychopharmacology誌オンライン版2020年5月30日号の報告。

 麻酔後のSprague-Dawleyラットに5-HT2B受容体リガンドを単独またはSSRI(エスシタロプラム[レクサプロ])との組み合わせで投与し、腹側被蓋野(VTA)のドパミンニューロン、背側縫線核(DRN)のセロトニンニューロン、内側前頭前野(mPFC)および海馬の錐体ニューロンのin vivo電気生理学的記録を行った。

主な結果は以下のとおり。

・5-HT2B受容体の発火活性ではなく、SSRI誘発のドパミン減少は、選択的5-HT2B受容体拮抗薬(LY266097)の2日間併用投与により回復した。

・mPFCにおいて、SSRIの14日間単独投与では錐体ニューロンの発火やバースト活性に影響を及ぼさなかったが、アリピプラゾールを単独またはSSRIとの組み合わせで14日間投与すると、錐体ニューロンの発火やバースト活性の増加が認められた。

・LY266097の14日間単独投与または14日間のうち最後の3日間にSSRI追加投与では、錐体ニューロンの発火やバースト活性の増加が認められた。

・これらの結果は、5-HT2B受容体が少なくとも部分的に、この増強に関与していることを示唆している。

・海馬では、BW723c86による5-HT2B受容体の活性化が、SSRIによるセロトニン再取り込み阻害を減少させたが、5-HT2B受容体拮抗薬により回復した。

 著者らは「5-HT2B受容体拮抗作用は、SSRIで治療中のうつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法の治療効果に寄与すると考えられる」としている。

出典

Hamati R, et al. Neuropsychopharmacology. 2020 May 30. [Online ahead of print]

コメント

タイトルとURLをコピーしました