セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)関連依存症の問題

セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)関連依存症の発生が増大しているが、その発生は低率だとみなされており、また多種薬剤依存症患者における実質的な影響は明らかになっていない。緊急救命部門に搬送された多種薬剤依存症患者を対象とした検討から、SRIの曝露が、セロトニン症候群および人工呼吸器装着のリスク増大と有意に関連していることが明らかにされた。フランス国立保健医学研究所(INSERM)のSebastien Beaune氏らが報告した。Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology誌オンライン版2014年8月22日号の掲載報告。

研究グループは、SRI曝露の影響を評価するため、緊急救命部門に搬送された多種薬剤依存症患者を対象とする検討を行った。同患者のうち、依存薬剤に1種以上のSRIが含まれていた患者と、まったく含んでいなかった適合患者を特定し、年齢、性別、薬剤種類別、摂取用量別に比較した。セロトニン症候群の特色は、Sternbach’s基準とHunter’sセロトニン毒性基準の診断基準を用いて、診療録から評価した。

主な結果は以下のとおり。

・4年間で、SRI曝露患者148例と適合対照296例が含まれ比較が行われた。
・主なSRIは、エスシタロプラム(商品名:レクサプロ、22%)、ベンラファキシン(イフェクサー、20%)、fluoxetine(19%)、citalopram(15%)、パロキセチン(パキシルほか、11%)であった。
・セロトニン症候群と診断されていたのは1例であった。しかし診療録のレトロスペクティブな評価から、実際にはSRI曝露患者5例での発生が認められた。
・また20例(14%)で、セロトニン症候群の基準が1つ以上認められた。
・Sternbach’s基準を用いた11例、Hunter’sセロトニン毒性基準を用いた9例のうち、少なくとも各2例の医療記録において欠落が認められた。
・条件付きロジスティック回帰分析により、SRI曝露患者では、発作(p=0.04)、セロトニン症候群(Sternbach’s基準ではp=0.01、Hunter’sセロトニン毒性基準ではp=0.004)の頻度が有意に高いことが示された。
・ICUに入室せずとも、人工呼吸器装着の有意な増大がみられた(p=0.03)。
・上記の結果を踏まえて著者は、「緊急救命部門に搬送された多種薬剤依存症の患者において、セロトニン症候群の診断は不十分なままであり、診断トレーニングを改善する正当な理由が示された」と提言している。

出典

Beaune S, et al. Basic Clin Pharmacol Toxicol. 2014 Aug 22. [Epub ahead of print]

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