緑に囲まれた場所に住んだほうが「うつ病」になりづらい

自然のアウトドアな環境に触れることは、一般的な健康状態の改善と関連しているが、抑うつ症状や不安症状などの特定の精神症状に対する保護的な関連性についてのエビデンスは限られている。スペイン・ポンペウ・ファブラ大学のMireia Gascon氏らは、居住地域において緑色や青色の景観へ長期的に触れることによる、不安、抑うつおよびこれらに関連する薬剤への影響について評価を行った。また、この関連に対する潜在的な仲介因子および効果修飾因子についても検討を行った。Environmental research誌2018年4月号の報告。

本研究は、既存の成人コホート(ALFA:Alzheimer and Families)および2013~14年にリクルートしたバルセロナの成人958例に基づき実施された。各対象者が居住する地域の緑色と青色の景観(周囲の緑[NDVI]、緑の量[land-cover]、主要な緑色や青色の景観へのアクセス)については、異なるバッファ(100m、300m、500m)ごとに作成された。対象者は、医師により診断された不安、抑うつ症状および関連する薬剤使用歴について報告した。ロジスティック回帰モデルを用いて、関連性を評価した。

主な結果は以下のとおり。

・周囲の緑の増加は、自己報告されたベンゾジアゼピンの使用歴の低下と関連していた(たとえば、300mバッファにおけるNDVIの四分位範囲1つの増加についてのオッズ比:0.62、95%CI:0.43~0.89)。主要な緑地へのアクセスは、自己報告されたうつ病歴と関連していた(オッズ比:0.18、95%CI:0.06~0.58)。
・青色の景観については、統計学的に有意な関連性は認められなかった。
・大気汚染(0.8~29.6%)と騒音(2.2~5.3%)は、観察された関連の一部を仲介していたが、身体活動と社会的支援の効果は軽微であった。

著者らは「本知見では、成人のメンタルヘルス(抑うつ症状や不安症状)に及ぼす緑地の保護的な効果が示唆されたが、これらのベネフィットおよび大気汚染や騒音などの影響について明らかにするためにも、今後さらなるエビデンス(とくに横断的研究)が求められる」としている。

出典

Gascon M, et al. Environ Res. 2018;162:231-239.

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