こころとからだの質問票(PHQ-9)のカットオフ値は適切か?

 うつ症状のアンケートは、診断を分類するためのものではない。しかし、うつ病の有病率を推定するために、こころとからだの質問票(PHQ-9)のスコア10以上の患者をうつ病患者と定義することがある。カナダ・マギル大学のBrooke Levis氏らは、PHQ-9スコア10以上と構造化面接(Structured Clinical Interview for DSM:SCID)によるうつ病の有病率を比較し、PHQ-9のカットオフ値が有病率を正確に推定できるかについて評価を行った。Journal of Clinical Epidemiology誌オンライン版2020年2月24日号の報告。

 PHQ-9スコアとSCIDのうつ状態を比較するためのデータセットを用いて、メタ解析を実施した。

主な結果は以下のとおり。

・主要な44研究より、9,242例(SCIDうつ病症例:1,389例)が抽出された。

・プールされた有病率は以下のとおりであった。
 ●PHQ-9スコア10以上:24.6%(95%CI:20.8~28.9)
 ●SCIDうつ病:12.1%(95%CI:9.6~15.2)

・有病率の差は、11.9%(95%CI:9.3~14.6)であった。

・研究レベルのPHQ-9スコア10以上の平均有病率は、SCID基準の2.5倍であった。

・SCIDうつ病有病率と最も近い有病率が示されたのは、PHQ-9スコア14以上およびPHQ-9診断アルゴリズムであったが、研究レベルでの有病率は、SCID基準の有病率とは異なっており、それぞれの平均絶対差は以下のとおりであった。
 ●PHQ-9スコア14以上:4.8%(95%CI:-13.6~14.5)
 ●PHQ-9診断アルゴリズム:5.6%(95%CI:-16.4~15.0)

 著者らは「個々の研究において、統計的に修正する不均一性が多過ぎる」としながらも「PHQ-9スコア10以上によるうつ病有病率は、過大評価している可能性がある」としている。

出典

Levis B, et al. J Clin Epidemiol. 2020 Feb 24. [Epub ahead of print]

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