パートナーがうつ病だと伝染しやすいのか

カップル間において、一方のうつ病はもう一方の適応障害のリスク因子となることを、スイス・チューリッヒ大学のAndrea B. Horn氏らが報告した。研究グループの検討では、このことはとくに男性に当てはまったという。適応障害は、ストレスフルなことに適切に対処できないことが診断理由である傾向が高い。一方で、臨床的に問題となる不適応を招く社会的リスクについては、ほとんどわかっていないが、文献的考察で、カップル間のコミュニケーションにおけるうつ病の影響やサポート状況の変化が示唆されていた。Psychother Psychosomatik Medizinische Psychologic誌オンライン版2015年3月30日号の掲載報告。

研究グループは、カップルにおいて臨床的に問題となるうつ病は、適応障害のリスク因子であり、ストレス反応障害をもたらすかどうかについて検討した。さらに、パートナーのうつ症状と自身の適応障害との関連の大きさについても検討した。それに関連して、単なるうつ感染を除外し、ストレス反応を切り離すため、自身のうつ症状について調整を行った。

主な結果は以下のとおり。

・オンラインカップル研究法にて検討した。294例(147組)が参加した。
・152例が、今なお悩まされているストレスフルな出来事の経験があると報告した。
・そのうち28例が、スクリーニング質問票のAdjustment disorder New Moduleで診断できうる閾値に達していた。
・また、14例のパートナーが、CES-Dのカットオフ値を上回るうつ症状を報告した。
・適応障害のリスクは、パートナーが女性であり、臨床的に問題となるうつ症状レベルを報告した場合に有意に上昇した(OR:7.13)。この関連は、女性パートナーがうつであった場合に限られ、男性パートナーがうつの場合は、いずれの有意な関連もみられなかった。
・以上より、女性パートナーのうつ症状と、関心事(ストレス要因となる反復的でネガティブな考え方)への適応症状との間に、正の関連があることが示された。
・パートナーのうつ病は、ストレスフルな出来事に対する不適応反応の有意なリスク因子になると思われた。
・本検討により、研究や臨床的介入において対人関係を見据えることが重要であることが示唆された。

出典

Horn AB, et al. Psychother Psychosom Med Psychol. 2015 Mar 30. [Epub ahead of print]

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