気分障害の新規治療オプションとして期待「グルタミン酸受容体阻害薬」

新規の選択的な代謝性グルタミン酸5(mGlu5)受容体ネガティブアロステリックモジュレータであるDSR-98776について、齧歯目モデル試験の結果、有効な経口抗うつ薬および抗躁薬として作用することが示され、躁うつ病態を呈する幅広い気分障害の治療オプションと成りうることが示された。大日本住友製薬のTaro Kato氏らが報告した。European Journal of Pharmacology誌オンライン版2015年3月28日号の掲載報告。

モノアミン・モジュレーション・システムは、気分障害治療の主流である。しかし、最近のエビデンスとして、グルタミン酸システムが、この障害の病理生体において重要な役割を担うことが示唆されている。そこで研究グループは、mGlu5受容体ネガティブアロステリックモジュレータのDSR-98776の薬理学的な特徴および躁うつマウスモデルにおける効果を評価した。はじめに、in vitroのDSR-98776プロファイルを細胞内カルシウムと放射性リガンド結合アッセイを用いて評価した。次に、in vivoでDSR-98776の治療ベネフィットについて、一般的な躁うつ齧歯目モデルで評価した。

主な結果は以下のとおり。

・DSR-98776は、mGlu5受容体に対し用量依存の阻害活性を示した。同活性は、mGlu5インヒビターとして知られる同一アロステリック部位の2-methyl-6-(phenylethynyl)-pyridine(MPEP)との結合によるものであった。
・ラットの強制水泳試験において、DSR-98776(1~3mg/kg)は7日間の治療後、無動時間を有意に短縮した。一方でパロキセチン(商品名:パキシルほか、3または10mg/kg)は2週間の連続治療後に、無動時間が短縮した。
・マウスの強制水泳試験では、DSR-98776(10~30mg/kg)の急速投与が、無動時間を有意に短縮した。この効果は、4-chloro-DL-phenylalanineメチルエステル塩酸塩誘発5HTの減少には影響しなかった。
・最後に、DSR-98776(30mg/kg)は、マウスにおいてメタンフェタミン/クロルジアゼポキシド誘発の機能亢進を有意に減少させ、この複雑な抗躁病様薬の効果を反映する結果が示された。

出典

Kato T, et al. Eur J Pharmacol. 2015 Mar 28. [Epub ahead of print]

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