ミルタザピン補助療法、不安症合併うつ病治療に期待

 うつ病と不安症を合併した患者に推奨される治療法に関するエビデンスは不足している。うつ病と不安症を合併した患者に対するミルタザピン(商品名:レメロン、リフレックスほか)の有用性が、予備的なエビデンスで示唆されている。英国・ブリストル大学のRaphael Rifkin-Zybutz氏らは、このような患者に対するミルタザピンの有用性を明らかにするため、治療抵抗性うつ病に対するミルタザピン補助療法のプラセボ対照試験の2次解析を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2020年11月4日号の報告。

 プライマリケアでの治療抵抗性うつ病患者に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)へのミルタザピン補助療法を検討したプラセボ対照試験の2次解析を実施した。ベースライン時の全般不安症スコア(GAD-7)により、対象患者を重度(GAD-7:16以上)、中等度(GAD-7:11~15)、軽度/なし(GAD-7:10以下)の3群に分類した。ミルタザピン補助療法によるベースラインから12週目までの不安症状の変化について、交互作用の尤度比検定を含む線形回帰を用いて評価した。不安症状の評価には、GAD-7およびうつ病自己評価尺度(Beck Depression Inventory II:BDI-II)を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・ミルタザピン補助療法によるベースラインから12週目までの不安症状の改善は、GAD-7(p=0.041)およびBDI-II(p=0.088)の両方で認められた。

・ミルタザピン補助療法を行った不安症が重度の患者では、12週目のGAD-7スコアが低く(調整後平均差[ADM]:-2.82、95%信頼区間[CI]:-0.69~-4.95)、BDI-IIスコアの著しい改善(ADM:-6.36、95%CI:-1.60~-10.84)が認められた。

・不安症が軽度/なしの患者では、プラセボと比較し、ミルタザピン補助療法の抗不安効果(ADM:0.28、95%CI:-1.05~1.60)または抗うつ効果(ADM:-0.17、95%CI:-3.02~2.68)は認められなかった。

 著者らは「プライマリケアにおいて治療抵抗性うつ病患者の不安症に対するミルタザピン補助療法の有効性が支持された。本結果は、事後分析ではあるものの、不安症を合併したうつ病患者に対する標準治療薬としてのミルタザピンの可能性が示唆された」としている。

出典

Rifkin-Zybutz R, et al. J Psychopharmacol. 2020 Nov 4. [Epub ahead of print]

タイトルとURLをコピーしました