難治性うつ病にドパミン神経系はどのように関連しているのか

これまでの検討で、ドパミン作用神経伝達異常が示唆される難治性うつ病患者において、ドパミンアゴニスト服用によるうつ症状の改善が報告されている。オランダ・アムステルダム大学医療センターのBart P. de Kwaasteniet氏らは、これまで行われていなかった難治性うつ病患者における、ドパミンD2/3受容体との結合を介したドパミン神経シグナル伝達の役割を明らかにするため、線条体内ドパミンD2/3受容体(D2/3R)のアベイラビリティを評価する検討を行った。PLoS One誌オンライン版2014年11月20日号の掲載報告。

本研究では、[123I]IBZMのSPECT画像診断法を用いて、難治性うつ病(TRD)患者における線条体内D2/3Rの結合を調べた。対象は、重篤なTRD患者6例、抗精神病薬投与中の重篤なTRD AP患者11例(TRD AP群)、マッチさせた健常コントロール15例であった。

主な結果は以下のとおり。

・TRD患者と健常コントロールの間で、線条体内D2/3Rのアベイラビリティに有意差は認められなかった(p= 0.75)。
・TRD AP群におけるD2/3Rのアベイラビリティは、TRD患者および健常コントロールに比べ有意に低かった(p<0.001)。この結果は、抗精神病薬によるD2/3Rsの占有を反映しているものと思われた。
・一方で、TRD AP群とTRD患者の間に、臨床症状の差はみられなかった。
・今回の予備調査において、重篤なTRD患者においては、D2/3アベイラビリティが大きく異なるというエビデンスは示されず、TRDサブグループがドパミン伝達の変化により特徴づけられないことが示唆された。
・すなわち、その強力なD2/3Rs占有にもかかわらず依然としてうつが持続している重篤なTRD患者について、非定型抗精神病薬を用いることは臨床的ベネフィットがないように思われた。

出典

de Kwaasteniet BP, et al. PLoS One. 2014; 9: e113612.

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