子供の教育費問題、うつ病になりやすいのは父親?母親?

 韓国では、社会文化的背景の影響により高等教育(higher education)が急速に成長しており、子供の教育には、世帯収入の大部分が費やされている。学習塾や予備校などの私教育(private education)は、子供の心理や行動に影響を与えると考えられてきた。しかし、これらの費用を支払う両親を対象とした研究は、これまで行われていなかった。世帯収入や教育レベルは、社会経済的地位(SES)を決定する重要な因子であり、教育費の捻出は、抑うつ症状の発症に影響を及ぼす可能性がある。韓国・延世大学校のByeong Cheol Oh氏らは、韓国における私教育費と両親のうつ病との関係について調査を行った。BMC Public Health誌2020年6月20日号の報告。

 2015年と2018年のKoWePS福祉パネルよりデータを収集した。分析対象は、父親397人(2015年)と337人(2018年)、母親403人(2015年)と370人(2018年)であった。本研究の独立変数は、私教育費の割合とした。この比率は、各世帯の等価可処分所得に占める私教育費の割合として算出した。主な目的変数は、両親のうつ病自己評価尺度(CESD-11)に対する反応とした。私教育費の割合が両親のうつ病に及ぼす影響を調査するため、一般線形モデルを用いた。

主な結果は以下のとおり。

・私教育費の割合が高い父親は、低い父親と比較し、CESD-11スコアが高く(moderate:β=0.419、S.E=0.164、p=0.0105、high:β=0.476、S.E=0.178、p=0.0076)、私教育費の比率が高いほど、父親のうつ病に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆された。

・母親では、識別可能な相関関係は認められなかった(moderate:β=-0.078、S.E=0.250、p=0.7555、high:β=0.003、S.E=0.215、p=0.9882)。

 著者らは「父親と母親で差がみられたことは、韓国社会では父親は母親よりも経済的負担が大きい傾向にあることが要因かもしれない」としている。

出典

Oh BC, et al. BMC Public Health. 2020;20:972.

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