うつ病への理解、世間の認知はどの程度か

うつ病は、世論、スティグマ、そしてその結果による行動に影響を受けることがある。うつ病患者やその周囲の人々の知識の欠如、誤解、スティグマは、彼らのメンタルヘルスを改善するうえで障壁となっている。筑波大学の横谷 省治氏らは、うつ病に関する世論、とくに認知、治療法、スティグマについて調査を行った。Journal of clinical medicine research誌2018年3月号の報告。

年1回の健康診断を受診した方を対象に、自己管理アンケートを配布し、次の4つの短い設問について調査した。

1.「明るく行動する人では、うつ病を心配する必要はない」(うつ病患者の行動に関する誤解)

2.「うつ病の治療に休息は重要である」(休息の必要性に関する理解)

3.「うつ病治療に医療は有効である」(薬物療法の有効性に関する理解)

4.「弱い人格がうつ病を引き起こす」(うつ病の原因に関するスティグマ)。

そして、これらの考えと健康リテラシー、外来診療への定期的な通院、うつ病歴、人口統計的変数などの要因との関連について分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・回答者は1,085例、回答率は75.0%であった。
・各設問に対し、適切な回答を行った割合は、(1)54.5%、(2)75.6%、(3)58.9%、(4)70.8%であった。
・うつ病の原因に関するスティグマについては、弱い人格がうつ病を引き起こすと回答した割合が、30.7%であった。
・女性および若者は、適切な回答と関連が認められた。
・健康リテラシーは、薬物療法の有効性に関する適切な理解とのみ、関連が認められた。

著者らは「本調査では、実に30%が、弱い人格がうつ病を引き起こすと考えていた。また、うつ病の薬物療法の有効性については、58.9%しか認識されていなかった。70%超は、休息の必要性を認知しており、明るく行動する人でもうつ病になる可能性があることを認知していた。一般的な健康リテラシーだけでは、うつ病に関する知識や理解が深まるとは限らない。うつ病へのスティグマを減少させ、うつ病治療に関する知識を向上させるためには、教育的介入やキャンペーンが必要である」としている。

出典

Yokoya S, et al. J Clin Med Res. 2018;10:202-209.

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