うつ病治療アプリを実用化するために

 スマートフォンアプリが増加し続けている現代社会において、アプリによる治療ツールの有効性は十分に実証されておらず、導入率も依然として不十分である。フランス・クレルモン・オーベルニュ大学のMarie-Camille Patoz氏らは、アドヒアランス向上に関連する効率的なアプリ開発を行うため、ユーザー中心のアプローチを通じて設計した架空のうつ病治療アプリに対する患者および医師の期待を特定することを目的とし、本研究を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月29日号の報告。

 精神科医および一般開業医、過去12ヵ月間でうつ病を経験した患者を対象に、フォーカスグループ法を用いて、半構造化面接を実施した。録音したインタビューの音声を文字起こしし、定性的な内容分析を用いて分析した。

主な結果は以下のとおり。

・分析対象は、医師26人および患者24人。

・フォーカスグループは、性別と年齢のバランスの取れた分布を示した。

・対象者のほとんどはスマートフォンを所有しており(医師:96.1%、患者:83.3%)、アプリも使用していた(医師:96.1%、患者:79.2%)。

・定性的な内容分析では、内容、操作特性、アプリ使用に対する障壁といった3つの主なテーマが明らかとなった。それぞれの内容は、以下のとおりであった。

【期待される内容】
 ●アプリにより収集された患者情報に関するデータ
 ●心理教育に関する情報提供
 ●治療ツールに関する情報提供
 ●日常生活のマネジメントを支援する機能
 ●このツールに期待される機能

【操作特性】
 ●アプリの目的
 ●潜在的なターゲットユーザー
 ●使用方法
 ●アクセシビリティ
 ●セキュリティ

【アプリ使用に対する障壁】
 ●潜在的なアプリユーザーに関する懸念
 ●潜在的なユーザーのアクセシビリティ
 ●安全性、副反応、有用性
 ●機能性

・テーマやカテゴリに関しては、医師と患者で共通であった。

 著者らは「架空のうつ病治療アプリは、医師、患者ともに期待値が高く、うつ病治療において重要な役割を担う可能性がある。このようなツールにユーザーが期待する重要なポイントとして、簡単かつ直感的な使い方とパーソナライズされたコンテンツが挙げられる。うつ病治療においては、うつ病に関する情報提供、自己モニタリング機能、緊急時の支援を可能とするアプリが求められている」としている。

出典

Patoz MC, et al. BMC Psychiatry. 2021;21:65.

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