うつ病リスクに尿酸値が関係

 可溶性尿酸塩は、とくに中枢神経系における抗酸化作用として機能することが示唆されている。血清尿酸値が低いと神経変性疾患のアウトカム不良につながることを示唆するデータも存在するが、メンタルヘルスに対する影響は十分に評価されていない。韓国・中央大学校のWoo-Joong Kim氏らは、大規模サンプルを用いて、血清尿酸値とうつ病との関連について調査を行った。Arthritis Research & Therapy誌2020年5月6日号の報告。

 対象者の社会人口統計学的特性、身体的および精神的健康状態に関する情報は、2016年の韓国国民健康栄養調査(KNHANES)のデータを用いた。うつ症状の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。年齢により、若年成人(19~39歳)、中年成人(40~59歳)、高齢者(60歳以上)に層別化し、分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・対象者は、5,332例。

・男女別に血清尿酸値の分布を四分位に分類した。
 ●Q1(男性:4.9mg/dL以下、女性:3.7mg/dL以下)
 ●Q2(男性:5.0~5.7mg/dL、女性:3.8~4.3mg/dL)
 ●Q3(男性:5.8~6.6mg/dL、女性:4.4~4.9mg/dL)
 ●Q4(男性:6.7mg/dL以上、女性:5.0mg/dL以上)

・高齢者では、血清尿酸値の四分位とPHQ-9スコアとの間に有意な負の相関が認められた(男性:p for trend=0.020、女性:p for trend=0.048)。

・調整後においても、血清尿酸値の低レベル(Q1、Q2)は、高レベル(Q3、Q4)と比較し、高齢者のうつ病の全体的な負担と有意な関連が認められた。
 ●女性高齢者(OR:1.78、95%CI:1.21~2.61)
 ●男性高齢者(OR:3.35、95%CI:1.16~9.70)

 著者らは「血清尿酸値が低いと、高齢者のうつ病リスクが高まることが示唆された。このことは、メンタルヘルスに臨床的な影響を及ぼす可能性がある」としている。

出典

Kim WJ, et al. Arthritis Res Ther. 2020;22:104.

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