うつや不安が将来の認知症リスクに影響

 うつ病、不安症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)は認知症と関連しているといわれているが、これらが認知症のリスク因子(因果関係または前駆症状)、併存疾患、後遺症(2次的影響)であるのかはわかっていない。これまでのメタ解析では、すべての原因による認知症、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症(VaD)とうつ病や不安症との関連は調査されているものの、PTSDやレビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD)との関連は考慮されていなかった。オーストラリア・アデレード大学のJ. K. Kuring氏らは、精神疾患と認知症との関連をより理解する目的で、臨床的に有意なうつ病、不安症、PTSD歴を有する人とそうでない人におけるAD、VaD、DLB、FTD、すべての原因の認知症発症リスクを調査するためのメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年5月21日号の報告。

 PubMed、EMBASE、PsycINFO、CINAHLを検索し、適格研究36件を特定した。

主な結果は以下のとおり。

・うつ病歴がある人は、ない人と比較し、すべての原因による認知症、ADの発症リスクが高かった。

・不安症歴のある人は、ない人と比較し、すべての原因による認知症の発症リスクが高かった。

・PTSD歴は、その後の認知症発症リスクとの関連が認められなかった。

・なお、不安症、PTSD、DLB、FTDに関するデータは限られていた。

 著者らは「うつ病や不安症は認知症のリスク因子の可能性があるが、このリスクの因果関係または前駆症状を評価するためには、成人期(若年成人、中年、高齢)にわたる縦断的研究が必要である。精神疾患の新規発症および既往歴のある高齢者における認知機能変化の定期的なスクリーニングは、認知症の早期発見に役立つ可能性がある」としている。

出典

Kuring JK, et al. J Affect Disord. 2020 May 21. [Epub ahead of print]

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