うつ病は認知症のリスクファクターか、それとも初期マーカーか

うつ病は、認知症のリスクファクターとして知られているが、この関係が原因であるかはわかっていない。オーストラリア・西オーストラリア大学のO. P. Almeida氏らは、うつ病に関連する認知症が抗うつ薬使用により減少するか、うつ病への曝露と認知症が発症した時間との関係性を調査した。Translational psychiatry誌2017年5月2日号の報告。

71~89歳の健常男性4,922例を対象に14年間の縦断的研究を行い、うつ病歴、現在のうつ病、うつ症状の重症度に関連する情報を収集した。抗うつ薬の使用、年齢、教育、喫煙、病歴(糖尿病、高血圧、冠状動脈性心疾患、脳卒中)についても収集した。フォローアップ期間中の認知症発症および死亡は、西オーストラリア州データ連携システムによって確認した。

主な結果は以下のとおり。

・うつ病であった男性は682例であった(過去:388例、現在:294例)。
・8.9年間のフォローアップ期間中、認知症を発症したのは903例(18.3%)、認知症でなく死亡したのは1,884例(38.3%)であった。
・過去および現在うつ病を有している男性の、認知症のサブハザード比(SHR)は、それぞれ1.3(95%CI:1.0~1.6)、1.5(95%CI:1.2~2.0)であった。
・抗うつ薬の使用は、このリスクを減少させなかった。
・認知症のSHRは、うつ症状のない男性と比較して、うつ症状の疑い例1.2(95%CI:1.0~1.4)、軽度~中等度うつ症状例1.7(95%CI:1.4~2.2)、重度うつ症状例2.1(95%CI:1.4~3.2)であった。
・うつ病と認知症は、フォローアップ期間の最初の5年間のみで関連が認められた。

著者らは「うつ病歴のある高齢者は、認知症発症リスクが高い。しかし、うつ病は認知症の修正可能なリスクファクターというよりも、初期認知症のマーカーである可能性が高い」としている。

出典

Almeida OP, et al. Transl Psychiatry. 2017;7:e1117.

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