うつ病治療、呼吸リラクゼーションで睡眠の質を改善

うつ病は患者本人だけでなく、家族、仕事や社会的関係にも多大な影響を及ぼす慢性疾患である。Mackay Memorial Hospital のHui-Ching Chien氏らは、大うつ病患者に対し、認知行動療法に呼吸リラクゼーション・エクササイズを併用した場合の、睡眠の質および心拍変動に及ぼす影響を検討した。その結果、睡眠の質および心拍変動が共に改善したことを報告した。認知行動療法は大うつ病に有効な治療法と考えられているが、これまで、大うつ病患者に対して、認知行動療法と呼吸リラクゼーションを併用した場合の効果を包括的に検討した研究はほとんどないという。Journal of Clinical Nursing誌2015年11月号の掲載報告。

反復実験的研究デザイン法により実施された本検討は、認知行動療法と呼吸リラクゼーション・エクササイズを4週間施行した試験群(43例)と、非介入対照群(46例)の計89例を対象に行われた。睡眠の質および心拍変動について、ベースライン時、1回目の試験後、2回目の試験後、フォローアップ時に測定した。データについて、χ2検定、t検定、一般化推定方式を用いて検討した。

主な結果は以下のとおり。

・年齢、社会経済的状況、疾患の重症度、精神疾患歴を調整した後、試験群において睡眠の質の改善が示され、試験後の結果に有意差が認められた。
・心拍変動パラメータも、有意な改善が認められた。
・上記のように、認知行動療法と呼吸リラクゼーション・エクササイズの併用が大うつ病患者における睡眠の質と心拍変動を改善しうるという仮説を支持するものであり、その効果は持続的であった。
・筋弛緩、深呼吸、睡眠衛生を含む呼吸リラクゼーション・エクササイズと認知行動療法は、入院中の大うつ病患者に提供可能であるものと思われる。
・グループでのエクササイズや体験の共有を通してリラックスすることにより、心拍変動の調節、良質な睡眠という感覚が共有できるものと考えられた。

出典

Chien HC, et al. J Clin Nurs. 2015;24:3206-3214.

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