精神病性うつ病に対する最も効果的な薬物治療は

精神病性うつ病に対する最も効果的な薬物治療(抗うつ薬と抗精神病薬の併用、抗うつ薬単独療法、または抗精神病薬単独療法)に関するエビデンスは限られている。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJaap Wijkstra氏らは、急性の精神病性うつ病患者に対する薬物治療について、抗うつ薬単独療法、抗精神病薬単独療法、抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法を比較することを目的にレビューを行った。その結果、抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法は、抗うつ薬単独療法、抗精神病薬単独療法、プラセボのいずれと比較しても高い有効性を示すことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewオンライン版2015年7月30日号の掲載報告。

本報告は2005~2009年までの報告に関するレビューのアップデートで、以下の2点について検討した。(1)急性の精神病性うつ病患者に対する薬物治療の臨床効果を比較する(抗うつ薬単独療法、抗精神病薬単独療法、抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法について、それぞれおよび/またはプラセボと比較)。(2)現在のエピソードにおける治療反応性の差が前治療への無反応と関連するか否かを評価する。

2013年4月12日時点で、Cochrane Central Register of Controlled Trials and the Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Group Register(CCDANCTR)を検索し、分析評価した。

主な結果は以下のとおり。

・検索アブストラクト3,659件のうち、レビュー対象の適格基準を満たしたRCTは12件(929例)のみであった。
・臨床的不均一性のため、メタ解析はほとんど実施できなかった。
・主要アウトカムは、精神病ではなく抑うつの重症度(反応性)の軽減とした。分析の結果、抗うつ薬あるいは抗精神病薬による単独療法において、有効性を示すエビデンスは認められなかった。
・しかし、抗うつ薬+抗精神病薬の併用療法は、抗うつ薬単独療法(3件のRCT; リスク比[RR]:1.49、95%信頼区間[CI]:1.12~1.98、p=0.006)、抗精神病薬単独療法(4件、1.83、1.40~2.38、p=0.00001)、プラセボ(2件の関連するRC、1.86、1.23~2.82、p=0.003)のいずれと比較してもより効果的であることが示唆された。
・バイアスリスクは非常に大きかった。その要因は、診断に関する試験間の差異、ランダム化および割り付けが不確実、治療介入の差異(抗うつ薬および抗精神病薬の種類による薬理学的差異)、異なるアウトカム基準などであった。
・導き出された結論に対する信頼性に限界があり、精神病性うつ病に関しては研究の余地が大きかった。
・抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法が、それぞれの単独療法あるいはプラセボと比較して有効であることを示すエビデンスはあったが、抗うつ薬単独、抗精神病薬単独治療に関するエビデンスは限定的であった。

出典

Wijkstra J, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jul 30. [Epub ahead of print]

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